ローマ人の物語
必要なものだけを取り出すためには、形として出来上がっていては具合が悪いんです。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)334p
才能を持った人を、自分の下世話な尺度で、評価するなんてとんでもない。
蟹は自分の甲羅に似せて穴を掘るっていうけれどその通りで、
とかく日本人は、公的と私的な評価を混ぜ合わせちゃう。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)324p
マリア・カラスは最高の歌手だけど、生涯は不幸だったのよね、なんて言う。
私はそういう人に向って、
あなた達は日本のVIPと結婚をして適度に生活は安定してるけれど、
彼女のようにあれだけ歌いきった後に、
万雷の拍手を前進に浴びたことは一度もないじゃないですか、と言いたいの。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)324p
自分の考えていることは、もしかしたら半分しか正しくないかもしれない
というような疑いを、常に持つのが「現実主義者」です。
自分が絶対的に正しいと思い出したら、それは宗教なのね。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)314p
子は、母の胎内で育つだけでなく、母のとりしきる食卓の会話でも育つ
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)231p
『ローマ人の物語6』(新潮文庫)29p
『ローマ人の物語6』(新潮文庫)29p
肉体の自由は奪うことはできても、精神の自由までは奪うことはできない。
そして、精神の自由が誰にも奪うことができないのは、
それが自尊心にささえられている場合である。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)229p
『ローマ人の物語33』(新潮文庫)160p
『ローマ人の物語33』(新潮文庫)160p
理想は理想でしかない。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)217p
死ねば皇帝も奴隷も同じだ
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)213p
マルクス・アウレリウス・アントニヌス
59
第16代ローマ皇帝(在位:161年 - 180年)。ネルウァ=アントニヌス朝では...-ウィキペディア
死んだことが奴隷以下だと言うのなら、わからんでもないが、それでも
オカシイですね。 - ねじ
内戦とは、自分で自分の肉体を傷つけ、自らの血を流すことなのだ。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)213p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)85p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)85p
実力主義とは、結局は実力でカタをつけるしかない解決法なのであった
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)212p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)38p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)38p
自死するネロの辞世の言葉だったというが真偽は定かではない。
これで一人の芸術家が死ぬ
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)123p
ネロ
1
37年12月15日 - 68年6月9日 ローマ帝国の第5代皇帝。
人々の捧げる愛情を拒絶したティベリウスとちがってカリグラは、それを失わないために全力を集中するようになる
すべてを所有する人にとっての最大の恐怖は、
現に所有しているものを失うことである。
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)119p
『ローマ人の物語18』(新潮文庫)121p
『ローマ人の物語18』(新潮文庫)121p
属州民への増税案に関する発言。
当の羊の身になればどうだろう。殺されて食べられてしまうよりも、年に一度毛を刈りとられるほうがよいと思いはいないか
当の羊の身になればどうだろう。殺されて食べられてしまうよりも、年に一度毛を刈りとられるほうがよいと思いはいないか
あなた方は羊を、殺して肉を食すよりも毛を刈りとる対象として考えるべきである
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)115p
『ローマ人の物語17』(新潮文庫)94p
『ローマ人の物語17』(新潮文庫)94p
ティベリウス
4
紀元前42年11月16日 - 紀元後37年3月16日 ローマ帝国の第2代皇帝(...
『ローマ人の物語』シリーズの最後の言葉
書物とは、著者が書き、出版社が本にし、
それを読者が読むことで初めて成り立つ媒体だが、
この三者をつなぐ一本の赤い糸が、「想いを共有する」ことにあるのだから。
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)224p
人間的なしがらみが薄いと、なぜか人間は私腹を肥やすことに熱中するようになる。
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)138p
それ(苦)を国民に求めねばならない為政者に必要な資質は、
「苦」を「楽」と言いくるめることではなく、
「苦」は苦でも、喜んでそれをする気持にさせることである。
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)80p
文盲の東ゴート族が、文章を書けるローマ人を重用せずにはいられなかったことを受けて
ときには歴史は、微苦笑するしかないつまらないことによって動く
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)72p
自分自身に自信が持てなくなった人はしばしば、
ちがいをことさら強調することによって自信をとりもどせた気になる
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)16p
歴史には、進化する時代があれば退歩するもある。
そのすべてに付き合う覚悟がなければ、歴史を味わうことにはならないのではないか。
そして、「味わう」ことなしに、
ほんとうの意味での「教訓を得る」こともできないと信じている。
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)9p
時代が進めば人間も進化するとはかぎらない
塩野七生 『ローマ人の物語43 ローマ世界の終焉 [下]』(新潮文庫,2011)9p
一国の最高権力者がしばしば変わるのは、
痛みに耐えかねるあまりに寝床で身体の向きを始終変える病人に似ている。
塩野七生 『ローマ人の物語42 ローマ世界の終焉 [中]』(新潮文庫,2011)168p
小心者だからこそ、かえってキレやすい。
塩野七生 『ローマ人の物語42 ローマ世界の終焉 [中]』(新潮文庫,2011)146p
情報とは、何かを感じたということが端緒になり、
磁石でもあるかのようにそこに集まってくる性質をもつ。
塩野七生 『ローマ人の物語42 ローマ世界の終焉 [中]』(新潮文庫,2011)97p
人間は、誰かを頼ることに慣れると、もはや自力では立てなくなる。
塩野七生 『ローマ人の物語42 ローマ世界の終焉 [中]』(新潮文庫,2011)83p
特権を有する人々が閉鎖的になるのは、人間性の宿命でもある。
塩野七生 『ローマ人の物語42 ローマ世界の終焉 [中]』(新潮文庫,2011)38p
でも、もしも書かなければ、私の頭の中の引き出しは何にも縛られることなく自由なままです。