ローマ人の物語

結婚式が行われた小ぶりの礼拝堂の、祭壇に向って右側の壁に描かれていた文字
ナナミーは、キリストをローマ人(ROMANUS)に入れ替えた。

CHRISTUS VINCUT  キリストが勝利し、
CHRISTUS REGNAT  キリストが君臨し、
CRISTUS IMPERAT  キリストが統治する

塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)16p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

現代(2011年時点)の研究者の一人が、このラテン語の格言くらい、皇帝ティベリウスにふさわしい句もないのではないかと言っている。

FATA REGUNT ORBEM! CERTA STANT OMNIA LEGE
(不確かなことは、運命の支配する領域。確かなことは、法という人間の技の管轄)

塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)213p
ローマ人の物語 9

イタリア在住の作家塩野七生による、古代ローマ全史を描いた歴史文学作品。ハードカバ...-ウィキペディア

Veni vidi vici.
(来た、見た、勝った)

塩野七生 『ローマ人物語12 ユリウス・カエサル ルビコン以後 [中]』(新潮文庫,2004)12p
ガイウス・ユリウス・カエサル 25

共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。「賽は投げられた」(alea iac...-ウィキペディア

「覇権者」をつづけるのも大変なのである。
覇権下に入った人々を守ってこそ、「覇権者」でありつづける権利をもつのだから。

塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)206p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

あせれば人は、ごく自然に以前の成功例にすがりつくようになるものである。

塩野七生 『ローマ人物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [下]』(新潮文庫,2004)116p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

ハンニバルに対して

あなたには明日の会戦の準備をするようすすめることしか、わたしにはできない。
なぜなら、カルタゴ人は、いや、あなたはとくに、平和の中で生きることが何よりも不得手なようであるから

塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)68p
スキピオ・アフリカヌス 3

共和政ローマ期の軍人、元老院議員。

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ジスコーネをはじめとする、カルタゴの有力者に対して

あなた方にできることは、議論を弄ぶことではない。受け入れることだけだ。

塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)90p
ハンニバル 3

カルタゴの将軍。

属州民への増税案に関する発言。
当の羊の身になればどうだろう。殺されて食べられてしまうよりも、年に一度毛を刈りとられるほうがよいと思いはいないか

あなた方は羊を、殺して肉を食すよりも毛を刈りとる対象として考えるべきである

新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)115p
『ローマ人の物語17』(新潮文庫)94p
ティベリウス 4

紀元前42年11月16日 - 紀元後37年3月16日 ローマ帝国の第2代皇帝(...

あの人(カエサル)は、カネに飢えていたのではない。
他人のカネを自分のカネにしてしまうつもりもなかった。
ただ単に、他人のカネと自分のカネを区別しなかっただけなのだ。

塩野七生 『ローマ人物語9 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [中]』(新潮文庫,2004)235p
ベルトルト・ブレヒト 6

ドイツの劇作家、詩人、演出家。 アウクスブルク出身。ミュンヘン大学時代より文学...-ウィキペディア

いかなる事業も、それに参加する全員が、内容はそれぞれちがったとしても、
いずれも自分にとって利益になると納得しないかぎり成功できないし、
その成功を永続させることもできない

塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)89p
ニッコロ・マキャヴェッリ 94

イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。 著書に『君主...-ウィキペディア

いかなる勝利も犠牲を伴う

塩野七生 『ローマ人の物語38 キリストの勝利 [上]』(新潮文庫,2010)174p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

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いかなる場合も責任は、指令を出した側に帰されるのである。

塩野七生 『ローマ人の物語38 キリストの勝利 [上]』(新潮文庫,2010)103p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

リヴィウス『ローマ史』より

いかなる強大国といえども、長期にわたって安泰でありつづけることはできない。
国外には敵をもたなくなっても、国内に敵をもつようになる。
外からの敵は寄せつけない頑健そのものの肉体でも、
身体の内部の疾患に、肉体の成長に従いていけなかったがゆえの内蔵疾患に、
苦しまされることがあるのと似ている。

塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)12p
ハンニバル 3

カルタゴの将軍。

いかに悪い結果につながったとされる事例でも、
それがはじめられた当時まで遡れば、善き意志から発していたのであった

塩野七生 『ローマ人の物語35 最後の努力 [上]』(新潮文庫,2009)3p
ガイウス・ユリウス・カエサル 25

共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。「賽は投げられた」(alea iac...-ウィキペディア

いやはやまったく、オレの命はどの医者に預ければよいのかね

塩野七生 『ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず [下]』(新潮文庫,2006)123p
マルティアリス 11

マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(マールティアーリス、Marcus Val...-ウィキペディア

墓碑に刻まれた文

おお、そこを通り過ぎていくあなた、ここに来て一休みしていかないか。
頭を横に振っている。なに、休みたくない?
と言ったって、いずれはあなたもここに入る身ですよ

塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)192p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア


    休んでばかりいる君へ忠告します。ずっと休んでばかりいたら、自滅しますよ。 - 銘無き石碑
『自省録』より

お前が現に身を置き、苦悩をつづけているその場くらい、
哲学に慣れ親しむに最適な環境はない

塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)75p
マルクス・アウレリウス・アントニヌス 59

第16代ローマ皇帝(在位:161年 - 180年)。ネルウァ=アントニヌス朝では...-ウィキペディア

ガリア戦役七年目にて

お前たちが、やる気充分でいるのはわかっている。
わたしに栄光をもたらすためには、どんな犠牲も甘受する気でいるのもわかっている。
だが、わたしが、お前たちの命よりも自分の栄光を重く見たとしたら、
指揮官としては失格なのだ

塩野七生 『ローマ人物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [下]』(新潮文庫,2004)91p
ガイウス・ユリウス・カエサル 25

共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。「賽は投げられた」(alea iac...-ウィキペディア

ここ(ルビコン)を越えれば、人間世界の悲惨。
越えなければ、わが破滅

塩野七生 『ローマ人物語10 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [下]』(新潮文庫,2004)234p
ガイウス・ユリウス・カエサル 25

共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。「賽は投げられた」(alea iac...-ウィキペディア

自死するネロの辞世の言葉だったというが真偽は定かではない。

これで一人の芸術家が死ぬ

新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)123p
ネロ 1

37年12月15日 - 68年6月9日 ローマ帝国の第5代皇帝。

これは嘘だが、
人間とは、事実だから信ずるのではなく、
事実であって欲しいと思う気持さえあれば信じてしまうものなのである。

塩野七生 『ローマ人の物語32 迷走する帝国 [上]』(新潮文庫,2008)104p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

しばしば女子供のほうが、大の男よりも残酷に振舞うものなのだ。

塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)50p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

すべての道はローマより発す

塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)186p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

人々の捧げる愛情を拒絶したティベリウスとちがってカリグラは、それを失わないために全力を集中するようになる

すべてを所有する人にとっての最大の恐怖は、
現に所有しているものを失うことである。

新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)119p
『ローマ人の物語18』(新潮文庫)121p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

『業績録』より

それ以後のわたしは、
権威(アウクトリタス)では他の人々の上にあったが、
権力(ポテスタス)では、誰であれわたしの同僚であった者を越えることはなかった

塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ [上]』(新潮文庫,2004)119p
アウグストゥス 4

ローマ帝国の初代皇帝(在位:紀元前27年 - 紀元14年)。 志半ばにして倒れ...-ウィキペディア