終わりの始まり
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内戦とは、自分で自分の肉体を傷つけ、自らの血を流すことなのだ。
実力主義とは、結局は実力でカタをつけるしかない解決法なのであった
新潮社編 『塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック』(新潮文庫,2011)212p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)38p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)38p
『ローマ人の物語』ではセヴェルスと表記
わたしは、すべてをやった。元老院議員でもあった。弁護士もやった。執政官も務めた。
大隊長もやった。将軍でもあった。そして、皇帝もやったのだ。
つまりは、国家の要職はすべて経験し、しかも充分に勤めあげたという自信ならばある。
だが、今になってみると、そのすべてが無駄であったようだ
塩野七生 『ローマ人の物語31 終わりの始まり [下]』(新潮文庫,2007)135p
セプティミウス・セウェルス
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146年4月11日 - 211年2月4日 ローマ帝国の皇帝
権力者であるのも、意外と不自由なことなのだ。だが、この不自由を甘受するからこそ、
権力をもっていない人々が権力を託す気持になれるのであった。
塩野七生 『ローマ人の物語31 終わりの始まり [下]』(新潮文庫,2007)126p
もしかしたら人類の歴史は、悪意とも言える冷徹さで実行した場合の成功例と、
善意あふれる動機ではじめられたことの失敗例で、
おおかた埋まっていると言ってもよいのかもしれない。
塩野七生 『ローマ人の物語31 終わりの始まり [下]』(新潮文庫,2007)108p
玉石混淆とは言っても、「玉」と「石」が明確に分かれているのならば対処も簡単だが、
実際は少数の「玉」と「石」だけが明確で、
残りの多数は情況しだいで「玉」派についたり「石」派についたりするのが実情である。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)206p
職業には貴賎はないが、生き方には貴賎はある。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)202p
名将が指揮した戦闘は、絵に描いたような展開で終始する。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)146p
エピキュリアンで徹するための条件の一つは、
誰とでも等間隔を保っていても生きていけるだけの財力、にあった。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)139p
事態の解決を長びかせることは、それ自体すでに「悪」なのである。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)111p
『自省録』より
お前が現に身を置き、苦悩をつづけているその場くらい、
哲学に慣れ親しむに最適な環境はない
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)75p
マルクス・アウレリウス・アントニヌス
59
第16代ローマ皇帝(在位:161年 - 180年)。ネルウァ=アントニヌス朝では...-ウィキペディア
『自省録』より
人は思索に徹したいとき、人里離れた地にこもる。田園に、海辺に、山の中に。
お前も昔は、よくそれを夢見たものだった。だがこれは、愚かな解決法である。
もしもほんとうに自分の心と向き合う必要を感じたならば、
いつでもどこでも、自分の内に逃げ込むことはできる
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)75p
マルクス・アウレリウス・アントニヌス
59
第16代ローマ皇帝(在位:161年 - 180年)。ネルウァ=アントニヌス朝では...-ウィキペディア
『自省録』より
蜘蛛は、蠅をとって生きている。誰かは、野うさぎをとることで。
別の誰かは、鰯をとることで。また、別の誰かはいのししを。他の誰かは熊を。
そして、それ以外の誰かはサルマティア人を。獲物に襲いかかるときに感ずる衝動は、
それが動物であろうと人間であろうと、殺すという一年では同じではないか
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)74p
マルクス・アウレリウス・アントニヌス
59
第16代ローマ皇帝(在位:161年 - 180年)。ネルウァ=アントニヌス朝では...-ウィキペディア
生まれた子を養えるかどうかを考える人がいたとすれば、
その人はもう蛮人(バルバリ)ではない。
塩野七生 『ローマ人の物語30 終わりの始まり [中]』(新潮文庫,2007)25p
賢母と良妻は必ずしも一致しないことくらい、女ならば誰でも知っている。
塩野七生 『ローマ人の物語29 終わりの始まり [上]』(新潮文庫,2007)211p
危機は、人々の心の中に愛国心を呼び起す。
塩野七生 『ローマ人の物語29 終わりの始まり [上]』(新潮文庫,2007)185p
ローマ皇帝の方法が、トヨタのジャスト・イン・タイムとほとんど同一であることについて
最重要の目標を明確に定め、そのことの実現に要する意志力さえ充分ならば、
誰でも人間は、似たような方策を考えつくのではないか
塩野七生 『ローマ人の物語29 終わりの始まり [上]』(新潮文庫,2007)67p
アリスティデス『ローマへの頌詞』より
ローマ世界は、一つの大きな家である。そこに住む人々に、ローマ帝国という
大家族の一員であることを日々思わせてくれる、大きな一つの家なのである。
塩野七生 『ローマ人の物語29 終わりの始まり [上]』(新潮文庫,2007)25p
『ローマ人の物語31』(新潮文庫)85p