ローマ人の物語
(政治とは)「ある職業でもなくある技術でもなく、高度な緊張を要する生活」である
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)33p
小林秀雄 (批評家)
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日本の文芸評論家、編集者、作家、美術・古美術収集鑑定家。日本芸術院会員、文化功労...-ウィキペディア
カエサルは後者の代表格といってもよい
(不利な)状態になった場合、人は二種に分れる。
第一は、失敗に帰した事態の改善に努めることで不利を挽回しようとする人であり、
第二は、それはそのままでひとまずは置いておき、別のことを成功させることによって、
情勢の一挙挽回を図る人である。
塩野七生 『ローマ人物語11 ユリウス・カエサル ルビコン以後 [上]』(新潮文庫,2004)123p
聖牛をどの町が、そして誰が保有するかで争いが起こった
頭を冷やせと言われて冷やすことのできる人間ならば、
はじめからこのような騒ぎは起さないのである。
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)130p
青年期になされた蓄積が、三十にして起ったときにはじめて真価を問われる
塩野七生 『ローマ人物語1 ローマは一日にして成らず [上]』(新潮文庫,2002)28p
長期戦とは経済力が優れている側が勝つとは限らない
塩野七生 『ローマ人物語3 ハンニバル戦記 [上]』(新潮文庫,2002)8p
野心とは、何かをやりとげたいと思う意志であり、
虚栄とは、人々から良く思われたいという願望である。
塩野七生 『ローマ人物語9 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [中]』(新潮文庫,2004)19p
道は、人が足を踏み固めただけでもできる。
だから、人間の住むところならば、道は必ず存在する。
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)78p
通貨というものは、ローマ皇帝にもローマ軍団にも影響されず、
経済の原則にのみ忠実に動く生きものであることを。
塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ [上]』(新潮文庫,2004)125p
軍事力を使って脅した後で握手する、というのも外交である。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)130p
軍事のみしか知らない人は、軍事の十全な執行者にもなれない
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)98p
身の安全を心配しながら生きていたのでは、生きた気がしない。
塩野七生 『ローマから日本が見える』(集英社文庫,2008)271p
ガイウス・ユリウス・カエサル
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共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。「賽は投げられた」(alea iac...-ウィキペディア
質実剛健も、限度を越えてまで強いては、人間性の現実に反するから長つづきしない。
といって自由放任も、人々の嫉妬心を刺激することになりやすい。
塩野七生 『ローマ人物語12 ユリウス・カエサル ルビコン以後 [中]』(新潮文庫,2004)173p
賢母と良妻は必ずしも一致しないことくらい、女ならば誰でも知っている。
塩野七生 『ローマ人の物語29 終わりの始まり [上]』(新潮文庫,2007)211p
資産をもてばもつほど人間は、それを所有しつづけることに執着する生きものである
塩野七生 『ローマ人の物語38 キリストの勝利 [上]』(新潮文庫,2010)132p
病に伏したアグリッピーナは、見舞いにきたティベリウスに涙を流しながら訴えた
貞節な女にとって唯一のなぐさめは、正式な結婚しかないのです。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)218p
ハンニバルとまみえる部下たちに対して
諸君は、新たなる敵と闘うとは思ってはならない。
彼らは、われわれが二十三年前に打ち破った、敗者の残党だ。
われわれは彼らに勝って、シチリアとサルデーニャを得た。それゆえに、
対等の戦士同士の闘いではなく、勝者と敗者が再びあいまみえる闘いと思ってよい。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)51p
ルキウス・コルネリウス・スッラ
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共和政ローマ期の軍人・政治家。スッラと呼ばれることが多いが、スラと表記されること...-ウィキペディア
誰も考えなかったやり方によって問題を解決するという点ではコロンブスの卵だが、
そのやり方を踏襲すれば誰がやっても同じ結果を産むとはかぎらないという点で、コロンブスの卵ではないのである。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)48p
誰にでも親切にするのが職務である、聖職者やそのたぐいの人々は別とする。
誰に対しても親切、ということは、誰に対してもほんとうには親切ではない
塩野七生 『ローマ人の物語26 賢帝の世紀 [下]』(新潮文庫,2006)61p
認識しただけならば、先見性を持った知識人、で終わってしまう。
見え、理解したことを実行に移すには、権力が必要だ。
塩野七生 『ローマ人物語2 ローマは一日にして成らず [下]』(新潮文庫,2002)91p
誇り高い人とは、何よりもまず自分自身に厳しい人である。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)212p
言動の明快な人物に、人々は魅力を感ずる。
はっきりする、ということが、責任を取ることの証明であるのを感じとるからだ。
塩野七生 『ローマ人物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [上]』(新潮文庫,2004)72p
親しく振舞っても品位は落とさず、
各人がもつ能力は尊重しながらも、
決断のときは逸しない
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)88p
見える人には、常に見えている
塩野七生 『ローマ人物語2 ローマは一日にして成らず [下]』(新潮文庫,2002)26p
衰退期に入った国を訪れ、そこに示される欠陥を反面教師とするのは、
誰にでもできることである。
だが、絶頂期にある国を視察して、その国のまねをしないのは、
常人の技ではない。
塩野七生 『ローマ人物語2 ローマは一日にして成らず [下]』(新潮文庫,2002)21p
衆愚政とは、人材の不足からくる結果ではなく、
制度が内包する構造上の欠陥が表面にあらわれた現象に思えてならない。
塩野七生 『ローマ人物語2 ローマは一日にして成らず [下]』(新潮文庫,2002)69p