パクス・ロマーナ
最大の危険を冒して最少の利益を追求するのは、黄金の針で魚を釣るに等しい。
黄金の針をもぎとられた損失は、どんな魚を捕えても償えないのだから。
(政治とは)「ある職業でもなくある技術でもなく、高度な緊張を要する生活」である
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)33p
小林秀雄 (批評家)
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日本の文芸評論家、編集者、作家、美術・古美術収集鑑定家。日本芸術院会員、文化功労...-ウィキペディア
歴史は、数学とはちがうのだ。著者が相手にするのは、数字ではなく人間である。
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)ⅳp
人間とは、不可思議な生きものである。
負ければ責任のなすり合いで分裂し、勝てば勝ったで、今度は嫉妬で分裂する。
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)108p
征服者に対して被征服民族の支配層が不満をもつのは、
制服される前に自分たちがもっていた権力が、
征服者に侵害されたと感じたときなのだ。
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)84p
成人
ガイウス・カエサルが、成人式を挙げる年齢の十五歳に達した。
塩野七生 『ローマ人の物語16 パクス・ロマーナ [下]』(新潮文庫,2004)14p
公正を期してつくられるのが法律だが、そのあまりにも厳格な施工は不公正につながる
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)149p
墓碑に刻まれた文
おお、そこを通り過ぎていくあなた、ここに来て一休みしていかないか。
頭を横に振っている。なに、休みたくない?
と言ったって、いずれはあなたもここに入る身ですよ
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)192p
すべての道はローマより発す
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)186p
人間とは、責任感と自負心をもったときに最もよく働く、
使う側から言えば駆使できる、生き物であることを知っていた。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)185p
文明の度が高ければ高いほど、その民族の制覇は容易になり、
低ければ低いほど、その民族の制覇は困難になる。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)170p
人間には、ことの重要さを理解する頭脳はある。
だがそれが、重大なることへの対処に必要な活力に結びつくか否かは、
そのことがどれほど読み聴く人にとって心地よい形で呈示されたか否かによるのである
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)151p
マルクス・トゥッリウス・キケロ
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共和政ローマ末期の政治家、文筆家、哲学者である。ラテン語でギリシア哲学を紹介し、...-ウィキペディア
税金の計算とは、税理士の必要もなく、
小学生でも計算できる程度にとどめておいたほうが、税制としてはより健全ではないか
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)132p
使えば使うほど税金が安くなるとなれば、人間誰しも使うのに熱心になる。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)132p
人間とは、
タダで取得した権利よりは、カネを払って得たことのほうを大切に思う性向もあった。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)119p
人間は普通、自らの職業を通じて自負心を育んでいくものである。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)98p
いかなる事業も、それに参加する全員が、内容はそれぞれちがったとしても、
いずれも自分にとって利益になると納得しないかぎり成功できないし、
その成功を永続させることもできない
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)89p
ニッコロ・マキャヴェッリ
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イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。 著書に『君主...-ウィキペディア
人は、
他に心を傾けるものがないと、それまでのものにより強くすがりつくのが常なのだ。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)82p
似合わないことは、やらないほうがよいのである。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)78p
兵士たちは、じぶんたちを率いる将官の能力に敏感である。
無能な指揮官に率いられたのでは、無用な犠牲を強いられるからだ。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)76p
何ごとであれ、
それを進めていくうえで最も重要な前提条件は、正確な情報を得ることである。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)47p
自由がないところには進歩はなく、
秩序が守られていないと、進歩どころか今日の命さえ危うくなる
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)32p
税制上でも出世のうえでも不利だからという理由で産んだとしても、
子供というものは、生れてみれば可愛いのだ。
塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)30p
ディベリウスにあてた手紙
わたしのことを悪く言う人がいても憤慨してはいけない。
満足しようではないか、彼らがわれわれに剣を向けないというだけでも
塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ [上]』(新潮文庫,2004)149p
ある議員が言った、アウグストゥスに対しての皮肉
もしも発言さえ許してくれれば、あなたへの反論を逐一展開してみせますよ
塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ [上]』(新潮文庫,2004)148p