ローマ人の物語
読み人知らず、とするしかない一人のローマ人が墓碑に刻ませた一句
わたしは死んで、ここに葬られている。
灰の一つかみでしかなくなったのが今のわたしだが、灰は土になる。
土は大地浸透し、人間世界の土台をつくる。
となれば、わたしは死んではいず、世界中で生きていけるということではないか
塩野七生 『ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず [下]』(新潮文庫,2006)135p
いやはやまったく、オレの命はどの医者に預ければよいのかね
塩野七生 『ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず [下]』(新潮文庫,2006)123p
マルティアリス
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マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(マールティアーリス、Marcus Val...-ウィキペディア
早くて安全な交通手段や清らかな水の安定配給がもたらす利点を、
ローマ人とは考え方のちがう民族に理解させ納得させるには、
彼らの眼前に実物を示し、彼ら自らに体験させるしかない。
塩野七生 『ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず [下]』(新潮文庫,2006)60p
インフラとは、需要があるからやることではなく、
需要を喚起するためにやることであるのかもしれない。
塩野七生 『ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず [下]』(新潮文庫,2006)22p
法律もまた、立派なインフラである。
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)232p
メディアとは、犬が人間に噛みついたのでは記事にはしないが、
人間が犬に噛みつけば記事にする、と言われる人々である。
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)188p
システムとは、衆に優れた力(パワー)に恵まれた人のためにあるのではなく、
一般の人々の力に合致し、その人々の必要性までも満たすものでなければならない。
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)172p
ローマ軍は、兵站(へいたん・ロジティクス)で勝つ
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)164p
道は、人が足を踏み固めただけでもできる。
だから、人間の住むところならば、道は必ず存在する。
塩野七生 『ローマ人の物語27 すべての道はローマに通ず [上]』(新潮文庫,2006)78p
感情を抑制するのに、賢者の哲学も皇帝の権力も何の役にも立たないときがある。
そのようなときには、男であることを思い起こして耐えるしかない
塩野七生 『ローマ人の物語26 賢帝の世紀 [下]』(新潮文庫,2006)162p
誰にでも親切にするのが職務である、聖職者やそのたぐいの人々は別とする。
誰に対しても親切、ということは、誰に対してもほんとうには親切ではない
塩野七生 『ローマ人の物語26 賢帝の世紀 [下]』(新潮文庫,2006)61p
ローマ人は、
思わぬ幸運に恵まれて成功するよりも、
情況の厳密な調査をしたうえでの失敗のほうを良しとする
塩野七生 『ローマ人の物語26 賢帝の世紀 [下]』(新潮文庫,2006)43p
ホンダの社会がアメリカ人でも他のどの国の人になってもかまわない、
ホンダのスピリットさえ受け継いでくれるならば
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)107p
異性であろうと同姓であろうとその「美」に敏感に反応するのは、
人間のもつ感受性のごく自然は発露である
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)146p
聖牛をどの町が、そして誰が保有するかで争いが起こった
頭を冷やせと言われて冷やすことのできる人間ならば、
はじめからこのような騒ぎは起さないのである。
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)130p
軍事のみしか知らない人は、軍事の十全な執行者にもなれない
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)98p
組織とは、それ自体はいかに良くつくられていても、その機能を決めるのは人間である。
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)97p
政治は非常なものなのだ。
そのことを直視しないかぎり、万人の幸せを目標にすえた政治はできない。
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)68p
年上の女は、次代の勝者になりうる若者を愛するのである。
塩野七生 『ローマ人の物語25 賢帝の世紀 [中]』(新潮文庫,2006)115p
ペシミストとオプティミストの双方を内包してこそ、人間社会というものなのだろう。
塩野七生 『ローマ人の物語24 賢帝の世紀 [上]』(新潮文庫,2006)234p
ローマ軍は、つるはしで勝つ
塩野七生 『ローマ人の物語24 賢帝の世紀 [上]』(新潮文庫,2006)115p
グナエウス・ドミティウス・コルブロ
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7年 - 67年 ユリウス・クラウディウス朝期のローマ帝国の軍人。
人間とは、身銭を切って投資してこそ、投資先の盛衰を本気で心配するようになる
塩野七生 『ローマ人の物語24 賢帝の世紀 [上]』(新潮文庫,2006)85p
人間とは実に一筋縄ではいかない存在で、好評だったからつづけ、
悪評だったことをやめればそれでことが済むというものではない。
塩野七生 『ローマ人の物語24 賢帝の世紀 [上]』(新潮文庫,2006)74p
人間とは、貧富の差なく実利に敏感な生きものでもある。
塩野七生 『ローマ人の物語24 賢帝の世紀 [上]』(新潮文庫,2006)212p
人生を愉しむのは明日からにしよう、だって? それでは遅すぎる、ポストゥムスよ。
愉しむのは今日からであるべきだ。
いや、より賢明な生き方は、昨日からすでに人生を愉しんでいる人の生き方ですよ。
塩野七生 『ローマ人の物語23 危機と克服 [下]』(新潮文庫,2005)212p
マルティアリス
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マルクス・ウァレリウス・マルティアリス(マールティアーリス、Marcus Val...-ウィキペディア