ウィリアム・シェイクスピア
生きてくれるな、ヒーロー、その目を開けるんじゃない。
もしおまえが、今すぐに死なないと判ったら、
もしおまえの魂が、おまえの恥より強いと知ったら、
おまえを激しく責めたてた上でおまえの命を、奪わねばならない。
『空騒ぎ』
レオナート
1
メッシーナの知事
臆病者は死ぬ前に、何度も死を体験する、だが勇者はただ一度だけ死を味わう。
『ジュリアス・シーザー』
原文は決して古びないが、翻訳は時代の言語感覚の変化とともに古くなる
――これは翻訳の宿命だ。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P166
松岡和子
1
1942年生まれ。演劇評論家・翻訳家。
このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ
どちらがりっぱな生き方か、このまま心のうちに
暴虐な運命の矢弾ををじっと耐えしのぶことか、
それとも寄せくる怒濤の苦難に敢然と立ち向かい、
闘ってそれに終止符をうつことか?
『ハムレット』第3幕第1場【小田島雄志訳】
- 銘無き石碑
嫉妬は、本質的に、失うかもしれないという恐怖から生ずるものであり、
羨望は、得たいと内心では思っていたものが得られそうもなく、
それで、それを実際に得ている者に対していだく感情だ
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)221p
第8章◆女心の唄<ヴェルディPart-2>
第3幕・第2場のラストは主だった出演者がすべて出揃い、一斉に「フーガ」で、次のような台詞を叫ぶ。
このメッセージこそが、ヴェルディの生涯最後に到達した心境なのです。
第3幕・第2場のラストは主だった出演者がすべて出揃い、一斉に「フーガ」で、次のような台詞を叫ぶ。
このメッセージこそが、ヴェルディの生涯最後に到達した心境なのです。
世の中すべて冗談だ!
永竹由幸『痛快!オペラ学』(amazon.co.jp)(集英インターナショナル,2001)P145
ファルスタッフ
1
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲、アッリーゴ・ボーイト改訂による3幕のオペラ(コメディ...
物の値打は値ぶみをする者ばかりにあるのでなしに、
物が貴い場合に価値と威厳がそなわる
『トロイラスとクレシダ ニ幕二場』より。
ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P274
ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P274
トロイラスとクレシダ
2
ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇。1602年に書かれたと信じられている。
シェイクスピアはギャラクシーだ。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P1
人生は矛盾するからおもしろい
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P4
確かにそれはそうなんだけれど、でも、そうでなくもある――
そんな矛盾する、どっちつかずの感情を抱いたとき、
人はもうすでにシェイクスピアの世界に足を踏み入れている。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P5
恋に関しては絶対の自信など持てない
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P5
「賢い愚者」のほうが「愚かな賢者」よりもずっとましなのだ。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P6
日常的な常識などにとらわれない柔軟な発想は時として
「非常識な」、「矛盾した」形をとるが、
そうした矛盾のなかにこそ人生のおもしろさや危なさがつまっている
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P6
学問を支える理性だけでは人生は語れない
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P8
人を恋することの真の意味は当然、曖昧にならざるを得ない。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P8
「これが恋なのかしら」という問いに、どんなに学問を積んでも答えることなどできない
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P8
嫉妬は「現実」の衣を着た「妄想」であるとき最も激しくなる
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P16
蒲池美鶴
1
文学博士。
憎しみの闇を背景にしているからこそ、愛の焔はそれだけまぶしく輝くのである。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P31
安西徹雄
1
1932年生まれ。上智大学教授。
いずこからともなくやってきて、行く末も知れずにはかなく消え去ってゆく者が、
人生という舞台でつかのまに放つ光彩は、胡散くさくまがいであり、
だが、それゆえにこそひときわ燦然としている。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P52
高田茂樹
1
1954年生まれ。金沢大学文学部助教授。
何も経験していない詩人の作品ほど、味気ないものに違いない。
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P56
山田由紀
1
1964年生まれ。フェリス女学院大学文学部英文学科助教授。
イエスとノーのあいだに真実が息づいている
本の帯より。
優柔不断術
1
赤瀬川原平/著 毎日新聞社 (1999/06) つくま文庫
シェイクスピアは明快に断定する、いや断定できないことを明示する
そうではあるが、そうではない
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P5
シェイクスピアについて
明快に断定する、いや断定できないことを明示する
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P5
シェイクスピア作品で多用される表現
AはBであってBではない
AERA Mook 55『シェイクスピアがわかる。』(朝日新聞社,1999)P5
青年トロイラスが、固く愛を誓いあったはずの恋人クレシダが別の男に媚態を示すのを見て驚愕して発する叫び
これはクレシダであってクレシダではない
トロイラスとクレシダ
2
ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇。1602年に書かれたと信じられている。