評論家
芸術とはある意味で善悪を超えたところで咲く「花」である。
悪、反道徳、脱道徳これらをすべて包摂することなしに、芸術が開花することはありえない。
『重層的な非決定へ』
国家は幻想である。風俗や宗教や法もまた共同の幻想である。
『共同幻想論』
「恐怖すべき者、総て之を神に帰す。神とは怯懦の異名なり」
(幸徳秋水)
「霊(そんなもの)は無い」
(漫画『爺さんと僕の事件帖』) - 名言録
原子力発電の安全性の問題はまず何よりも技術の問題であり、
技術の問題を解決するのは
まず何よりも「技術的」にその問題点を乗り超える技術の問題なのだ、
というのが原発問題を太く貫く第一義の大道なのだ。
『状況としての画像』
いいことを照れもせずにいう奴は、みんな疑ったほうがいいぞ。
『遺書』
左翼とは何かを探しつつあるものだけが左翼なのだ。
『ハイ・イメージ論』
相手の弱みをにぎったとおもったときが、
じつはいちばん隙ができる機会で、危ないときである。
『重層的な非決定へ』
本当に偉い人は、千年、百年単位の人ではなく、
もっと向こう側に無名の領域があって、そこへ行けた人が本当に偉いのだ。
『人生とは何か』
市井に生まれ、そだち、生活し、老いて死ぬといった生涯をくりかえした無数の人物は、
千年に一度しかこの世にあらわれない人物の価値とまったく同じである。
『カール・マルクス』
おそらく、近代日本の社会にあって、もっともおそろしい思想的な力となっているのは、
社会的な関係や、社会の構造物がそのまま、
自然物のような強固な秩序として認識されるということであろう。
『高村光太郎の世界』
ぼくの孤独はとんど極限に耐えられる ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる
ぼくがたおれたらひとつの直接性がたおれる もたれあうことをきらった反抗がたおれる
『ちいさな群への挨拶』
サルトルのように「戦争」をえらぼうともおもわないしまた「平和」をえらぼうともおもわない。
ただ「未知」をえらぶだけだ。
『日本のナショナリズム』
詩は書くことがいっぱいあるから書くんじゃない。
書くこと、感じることなんにもないからこそ書くんだ。
『「さよなら」の椅子』
「資本論」と「窓際のトットちゃん」とを同じ水準で、まったくおなじ文体と言語で論ずべきだ。
『重層的な非決定へ』
時代が変わると左翼が右翼になり、右翼が左翼になる。
ボタンを付け替えるように、簡単に変わっちゃう。
『私の「戦争論」』
わからないのに、わかっているように言うことを、
とにかく警戒すればいいんじゃないですか。
『悪人正機』
どんなに社会的な制度が変わろうと、いくら痒くても背中はかきづらい。
言葉の幹と根は、沈黙である。
私は四月から反原発のデモに参加しています。
この新宿駅前の集会にも、6・11のデモで来ています。
私はデモに行くようになってから、デモに関していろいろ質問を受けるようになりました。
それらはほとんど否定的な疑問です。たとえば、「デモをして社会を変えられるのか」というような質問です。
それに対して、私はこのように答えます。
この新宿駅前の集会にも、6・11のデモで来ています。
私はデモに行くようになってから、デモに関していろいろ質問を受けるようになりました。
それらはほとんど否定的な疑問です。たとえば、「デモをして社会を変えられるのか」というような質問です。
それに対して、私はこのように答えます。
デモをすることによって社会を変えることは、確実にできる。
なぜなら、デモをすることによって、日本の社会は、人がデモをする社会に変わるからです。
素人の乱主催による「2011.9.11新宿 原発やめろデモ!!!!」街頭集会におけるスピーチより。
(associations.jp)
(associations.jp)
柄谷行人
1
1941年8月6日生まれ。日本の文芸評論家、思想家。
生愛は論じるものではなく、するものだ
AERA Mook 51『恋愛学がわかる。』(朝日新聞社,1999)P148
書を捨てよ町へ出よう
現代人が周囲で生じる急激な変化を十分に理解するために必要とする英知は、
発明それ自体が進歩する速度に比べると、はるかに遅々とした進歩を示すに過ぎない
「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン」のコラムより。
ウォルター・リップマン
1
1889年9月23日-1974年12月14日 アメリカ合衆国のジャーナリスト、コ...
私たちはいまや一つの言語ではことたりない世界に生きている。
AERA Mook 8『人類学がわかる。』(朝日新聞社,1995)P33
エズラ・パウンド
2
1885年10月30日 - 1972年11月1日 詩人、音楽家、批評家。
読書論のなかの一節
人間をよく理解する方法は、たった一つしかない。
それは、彼らを急いで判断せず、彼らのかたわらで暮らし、
彼らがみずから思うところを言うにまかせ、
ついにぼくらの内に、彼らが自画像を描きだすまで待つことだ
AERA Mook 8『人類学がわかる。』(朝日新聞社,1995)P8
シャルル=オーギュスタン・サント=ブーヴ
1
1804年12月23日ブローニュ=シュル=メール - 1869年10月13日パリ...
とある映画評論家の発言
バイオレンス映画に人気があるのは人間が攻撃本能をもっているからで、
人々は実生活で不可能な暴力や破壊を映像の世界に求めている
AERA Mook 73『人間科学がわかる。』(朝日新聞社,2001)P78
「独断」でもいいんだよ。
そもそも言論圏というのは、もっと荒々しいフィールドであるべきなんだ。
思想の自由市場というのは、綺麗に塗装された平坦な道路じゃなくて、地肌が剥き出しで、
岩や石がゴロゴロしていて、そこかしこに凹凸がある。そんな道であるべきなんです。
そのように議論誘発性込み、可謬性込みの自由でなければ、
言論の自由なんて意味がないと思う。
本村洋 宮崎哲弥 藤井誠二『罪と罰』(イーストプレス,2009)P199
宮崎哲弥
2
1962年10月10日生まれ。日本の評論家およびコメンテーター。