ファッション
奇抜な衣装を身につければつけるほど、蜘蛛が糸を引くかのように幾何学な模様(それこそ「自己」そのもの)を描き出してしまう
われわれは衣服を身につけることによって何者かになると考えがりだが、
むしろ、衣服によって自分自身からうまく逃れ得たと思われる状態にこそ、
かえって巧妙な罠が仕掛けられている
AERA Mook 17『ファッション学のみかた。』(朝日新聞社,1996)P16
上島啓司
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1947年生まれ。関西大学文学部教授。
衣装はそれをまとう者を象徴する
服装が女性をつくり、服装が男性をつくる、衣装こそが本質である
相手は一晩中愛し合いたくても―― 私は翌日を考えて行為を拒否する
翌日もアルマーニであろうとするからだ
アルマーニ 3(nicovideo.jp)6分36秒~
ジョルジオ・アルマーニ
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1934年7月11日生まれ。イタリアのファッションデザイナーであり、彼が創立した...
四十にして惑わず
背広の型というものは、幾分かくずれているところに、真の男の良さがにじみでる。
ポケットのふくらんでいる上着くらい、セクシーなものはない。
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)200p
四十にして惑わず
愛撫の手をすべらせるのは、なにも肌ばかりではない
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)199p
四十にして惑わず
四十過ぎの身だしなみの第一項は、肌ざわりを主に選ばれたし
第二に色と柄だが、
派手な色を着れば大胆に見えるというのは、完全にまちがっている。
第三は、背広の上着の襟のボタンの穴にさす、一凛の花。
第四は、ワイシャツ。
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)199,200p
四十にして惑わず
宝石の硬質で冷たい感触に敏感でない女は、女ではない。
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)199p
四十にして惑わず
若造りとは、若者のまねをするということだ
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)199p
四十にして惑わず
装いとは、自分が化したいと思う個性に合ったものであるべきだ
塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)198p
「おしゃれは悪魔の誘い」
日本のおとなの女性は、とかくPTA的な女の視線を意識して装ってはいませんか。
塩野七生 五木寛之『おとな二人の午後』(角川書店,2003)57p
「おしゃれは悪魔の誘い」
よく日本人は自分の個性に合った洋服を着ようって感覚でしょう。
そんあものじゃないのね、本来、洋服の個性を着るんですよね。
塩野七生 五木寛之『おとな二人の午後』(角川書店,2003)50p
「おしゃれは悪魔の誘い」
リラックスしてはいけないのが、洋服の本分のひとつ
塩野七生 五木寛之『おとな二人の午後』(角川書店,2003)49p
「第58章 帽子の愉しさ」
誰だって四十を越えれば、性格はいやでもはっきりしてくる。
今まで築きあげたその性格に、額ぶちをつけてあげたいとは思いませんか?
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)252p
「第58章 帽子の愉しさ」
帽子は顔に陰影を与える。
また、頭にのせるだけなのに、その人の性格をきわ立たせてくれる。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)249p
「第27章 女とハンドバッグ」
女にとってのハンドバッグは、女の心の、そして肉体の一部なのである。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)205p
「第13章 おしゃれな男について」
おしゃれな人とは、男女を問わず、自己顕示欲の強い人である。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)105p
「第10章 クロウトの意見」
二十歳の女と六十歳の女では、どうしたって同じものを着るわけにはいかないのだ。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)86p
「第8章 装うことの素晴らしさ」
装うとは、
着る人間がどのような個性を生きたいかで、決まるものだと私は信じている。
だからこそ、素晴らしいのだ。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)71p
「第8章 装うことの素晴らしさ」
就職の面接にまで学生服着用というのは、アホじゃあるまいし、と私ならば思う。
そして、そういう就職希望者を喜ぶ人事関係者に至っては、
アホな学生よりもよほどアホだと思う。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)63p
「第4章 再び、皮袋に新しき酒を」
1960年代のローマにて
1960年代のローマにて
この街を行く日本の殿方たちは、いずれもチャコール・グレイ
(当時の日本では猫もしゃくしもこの色を着ていた)の背広に白いワイシャツ姿。
これではまるで、ドブネズミの一群が行くのと変わりません。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)37p
「第4章 再び、皮袋に新しき酒を」
ワイシャツも、背広の上着と同じ待遇を受ける理由が立派にある
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)37p
「第3章 古き皮袋に新しき酒を」
「真剣」にジーパンをはいている男など、
「真剣」に背広を着ている男とまったく同じに、こっけいそのものではないか。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)34p
「第2章 イタリア男、イギリス男に圧倒されるの巻」
衣装とは、洋の東西を問わず、装うものであって装われるものではない。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)26p
「第2章 イタリア男、イギリス男に圧倒されるの巻」
「遊び」だって、伝統を背にしているという自信があるから、大胆にやれるのだ。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)26p