再び男たちへ
「第35章 自己満足も程度しだい」
井戸の中は今のところは平穏無事かもしれないが、外は荒海なのである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)156p
「第33章 百年の計」
私は以前から、市場調査なるものに疑いをいだいてきた。
それは凡人の考えたことへの援護射撃にすぎないのではないかとさえ思っている。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)147p
「第33章 百年の計」
後世から眺めればあれこそ百年の計であったと思われる「計」はいくつもあるが、
それらも立てた当初は、立てた本人ですらそれが百年の計になるなどとは思ってもいなかったのである。
後世から眺めればあれこそ百年の計であったと思われる「計」はいくつもあるが、
それらも立てた当初は、立てた本人ですらそれが百年の計になるなどとは思ってもいなかったのである。
歴史に親しむ日々を過していてつくづく想うのは、
百年の計などというものは存在しないということである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)145p
「第32章 好感度について」
利己主義者の間では妥協は常に可能である
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)143p
「第30章 共産主義(その二)」
充分に食べられていさえすれば実におとなしく、つまり保守的になるのが人間だから
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)134p
「第28章 ノーブレス・オブリージュ」
エリートは、
他の人びとより優れた資質や社会的立場を占めているから尊敬されるのではない。
その資質や地位を活用して、
それらをもっていない人びとを守るから敬意を払われるのである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)124p
「第27章 外圧について」
国家の指導者たる者、国民を女と考えるべきなのだ。女は、苦労がいやなのではない。
きみには苦労をかけるね、の一言だけでふるい立つのが、女というものである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)121p
「第27章 外圧について」
優れたリーダーとは、良き結果を得るためには良くない手段に訴えるくらい、
眉ひとつ動かさずにやってのけられる人種のことである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)121p
「第27章 外圧について」
理で訴えられてその気になれるのは、少数派にすぎない。
多数派とは常に、胸を熱くする何かがないと動かないものなのだ。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)121p
「第27章 外圧について」
人間は、
もっとも至極と思うことには、少しも胸の熱くならないようにできている動物である。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)120p
「第26章 女たちへ」
つまらない男たちが現状打破をはかろうとすると、しばしば姑息な手段に訴えるものだ
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)117p
「第26章 女たちへ」
塩野:日本ではもう誰もがカメラをあやつる時代になりましたが、こういう状態になるとプロのカメラマンは困りませんか
塩野:日本ではもう誰もがカメラをあやつる時代になりましたが、こういう状態になるとプロのカメラマンは困りませんか
困るどころか歓迎しますよ。
なぜなら、こういうときこそプロとアマの差がはっきりするからです
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)114p
奈良原一高
1
1931年11月3日生まれ。日本の写真家。福岡県出身。
「第25章 ワールド・プロブレム(その三)」
産ませてしまえば勝ち
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)114p
「第24章 ワールド・プロブレム(その二)」
誰かが書いていたこと
誰かが書いていたこと
最善の方策とは、善意からは生まれない。
かえって、一見悪意と見えることから生まれるほうが多いものである
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)110p
「第20章 イタリア魂」
卵を買おうとした時のこと、六個入っている箱の中の卵のうち、何と四個までひびが入っている。
もちろん店主に抗議した。店主はおだやかな口調で言う。
卵を買おうとした時のこと、六個入っている箱の中の卵のうち、何と四個までひびが入っている。
もちろん店主に抗議した。店主はおだやかな口調で言う。
店主:卵を料理する時、あんたならどうする。割るんじゃないかね
イエス
店主:神様があんたのそのための苦労を、四個まで代わってくださったということさ
この卵はゆで卵にしたいのよ
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)91p
内田洋子
2
塩野七生の友人。河内生まれ。外国語大学卒業。
「第20章 イタリア魂」
外語大卒業後に一年間、ナポリで研修をしたんですけどね。
カルチャー・ショックなんてちっとも感じなかった。
私の生まれた河内と同じと思えばよかったんですから
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)91p
内田洋子
2
塩野七生の友人。河内生まれ。外国語大学卒業。
「第19章 台所感覚」
人は大局の判断を迫られた場合には誤りを犯しやすいが、
個々のこととなると意外と正確な判断をくだすものである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)89p
「第19章 台所感覚」
具体的な基盤ということならば、一円玉は歴史に優る。
歴史には誰でも慣れ親しむことは不可能だが、一円玉ならば可能だからである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)88p
「第19章 台所感覚」
人は、自分が慣れ親しんだことに頼りながら自らの考えを押し進めてゆくものである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)88p
「第18章 女の反乱」
真の政治感覚をもつ政党など一つとして存在しない状況下では、
有権者の判断力は具体的に判断可能なことにしか発揮されないからである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)85p
「第16章 フランス革命二百年・平等」
人間は所詮、認められるからこそ苦労もいとわない存在なのだ。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)76p
「第15章 フランス革命二百年・自由」
自由は誰もが欲する。
だが、この自由なるもの、それを駆使して生きるとなると意外と大変で、
すべての人がその緊張に耐えていけると考えるほうが非現実的なのではないか。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)73p
「第13章 歴史について」
歴史というのは人間経験の集積である。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)64p
「第12章 政治改革」
オトナになれない者が見事な老人になれるわけがないのである。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)62p
「第11章 政治家とは」
権力は、それをもたない者を消耗させる。
塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)57p
ジュリオ・アンドレオッティ
3
1919年1月14日生まれ。イタリアの政治家、上院議員(終身議員)。 首相(第...