海外小説

青春と繁栄のある間だけ神に頼らずにすませるのだ。
そういう神からの独り立ちが最後まで人を安全に導けるものではない

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P270
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

第十七章から会話部分を抜粋

野蛮人:しかし、わたしはその不都合が好きなんです
われわれはそうじゃないね われわれは物事を愉快にやるのが好きなんだよ
野蛮人:ところがわたしは愉快なのがきらいなんです、わたしは神を欲します、
詩を、真の危険を、自由を、善良さを欲します。わたしは罪を欲するのです
それじゃ全く、君は不幸になる権利を要求しているわけだ
野蛮人:それならそれで結構ですよ わたしは不幸になる権利を求めてるんです
それじゃ、いうまでもなく、
年をとって醜くよぼよぼになる権利、梅毒や癌になる権利、
食べ物が足りなくなる権利、しらみだらけになる権利、
明日には何が起るかも知れぬ絶えざる不安に生きる権利、チブスにかかる権利、
あらゆる種類の言いようもない苦悩にさいなまれる権利もだな
野蛮人:(永い沈黙後)わたしはそれらのすべてを要求します

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P306
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア


    自堕落の快楽に耽る人間かな。 - 銘無き石碑

    馬鹿な人間って可哀相だね。 - 銘無き石碑

車輪の番をする人間がいなくてはならぬ、軸を廻る車輪のように堅実な人間、
満足を得て安定した正気の人間、従順な人間がおらねばならぬ。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P52
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

身分制度(カースト)もまた同様だった。たえず拒否された。
民主主義というものがあったのだ。
まるで人間が物理・化学的平等以上の何ものかであるように

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P58
すばらしい新世界 8

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

要するに個人とはなんだ?

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P172
バーナード・マルクス 5

α(アルファ)階級なのに手違いからγ(ガンマ)階級の姿で生まれてしまった。そのこ...

美は人を惹きつける、
そしてわれわれは人々が古いものに惹きつけられることを好まないのだ。
われわれは人々が新しいものを好むことをのぞんでいる

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P254
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

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SF小説の定義

科学小説は、(科学の進歩によって)われわれの環境に生じる目ざましい変化
――好むと好まざるとにかかわらず生じる変化が
人間に如何なる効果を及すかをまことらしさを以て描き出すものである

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P310
すばらしい新世界 8

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

科学と技術は、安息日と同様、人間のためにそれらが造られたかのごとく利用され、
‥‥‥人間がそれらに適合され隷属されねばならぬかのようには用いられない。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P308
すばらしい新世界 8

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

神を信ずるように条件づけられたからこそ、人々は神を信ずるのだよ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P272
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

こういう書物=メーヌ・ド・ビラン(kotobank.jp)の書物

神は違った者たちにはそれぞれ違った形で姿を現わすのだよ。
近代以前には神は
こういう書物に描かれているようなものとしてその姿を現わしたのだ。
ところが今じゃ‥‥‥
野蛮人:今はどんな形で現われますか
さあ、それは無として現われることになるね。全く存在しないかのようにね
野蛮人:それはあなたの罪ですよ
文明の罪だと言ってほしいね。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P271
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

神は機械や科学的薬品や大衆の幸福とは両立しないのだ。
人はどちらかを選ばなくてはならぬ。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P271
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

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神の掟ては結局のところ、社会を構成する人間によって示されるのだ。
神の摂理も人間から受けつがれるものなのだ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P273
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア


    なるほど!!! - 銘無き石碑

社会的安定なくして文明はない。而して個人の安定なくして社会の安定はない

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P51
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

社会の背骨(バックボーン)をなすのは哲人ではなくして、
糸鋸師や郵便切手収蒐集家なのである。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P8
所長 8

中央ロンドンの人工孵化・条件反射育成所所長。ジョンの父親。バーナードの職場の上司...

社会の善良にして幸福な一員であろうとするならば、
全般的理解はできるだけ最小限に止めておくことだ。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P8
所長 8

中央ロンドンの人工孵化・条件反射育成所所長。ジョンの父親。バーナードの職場の上司...

産まず女を相手にいくら道ならぬ快楽にふけったところで、
自分の息子の情婦に眼玉をくり抜かれたりする危険はちっともないんだよ。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P273
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

SF小説の定義

現実の、もしくは想像された科学が
社会あるいは個人に与える衝撃をもっぱら取り扱った小説

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P310
すばらしい新世界 8

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

狂気というものは伝染しやすいのですね

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P143
リンダ 3

ジョンの母親。β(ベータ)だったが、若い時に所長と蛮人保存地区へ出かけ、一人はぐ...

物の値打は値ぶみをする者ばかりにあるのでなしに、
物が貴い場合に価値と威厳がそなわる

『トロイラスとクレシダ ニ幕二場』より。
ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P274
トロイラスとクレシダ 2

ウィリアム・シェイクスピア作の悲劇。1602年に書かれたと信じられている。

満足の状態というものは不幸との勇敢な戦いのような輝かしさも全然なく、
誘惑との苦闘だとか、熱情や懐疑による致命的な敗北などのような華かさも全然ない。
幸福とはけっして壮麗なものではない

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P256
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア

消費を増大するのに何の役にも立たぬむずかしいゲームを人々にやらせておくなんて

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P37
所長 8

中央ロンドンの人工孵化・条件反射育成所所長。ジョンの父親。バーナードの職場の上司...

殺人といったところで、たかが個人を殺すだけだ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P172
バーナード・マルクス 5

α(アルファ)階級なのに手違いからγ(ガンマ)階級の姿で生まれてしまった。そのこ...

歴史的事実はたいてい不愉快なものだ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P30
所長 8

中央ロンドンの人工孵化・条件反射育成所所長。ジョンの父親。バーナードの職場の上司...

歴史というものになじみが薄いと、
過去に関するたいていの事実はまったくまこととは思えないのだ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P39
所長 8

中央ロンドンの人工孵化・条件反射育成所所長。ジョンの父親。バーナードの職場の上司...

文明とは消毒なり

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P141
リンダ 3

ジョンの母親。β(ベータ)だったが、若い時に所長と蛮人保存地区へ出かけ、一人はぐ...