ジョン・野蛮人(サヴェジ)

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第十七章から会話部分を抜粋

野蛮人:しかし、わたしはその不都合が好きなんです
われわれはそうじゃないね われわれは物事を愉快にやるのが好きなんだよ
野蛮人:ところがわたしは愉快なのがきらいなんです、わたしは神を欲します、
詩を、真の危険を、自由を、善良さを欲します。わたしは罪を欲するのです
それじゃ全く、君は不幸になる権利を要求しているわけだ
野蛮人:それならそれで結構ですよ わたしは不幸になる権利を求めてるんです
それじゃ、いうまでもなく、
年をとって醜くよぼよぼになる権利、梅毒や癌になる権利、
食べ物が足りなくなる権利、しらみだらけになる権利、
明日には何が起るかも知れぬ絶えざる不安に生きる権利、チブスにかかる権利、
あらゆる種類の言いようもない苦悩にさいなまれる権利もだな
野蛮人:(永い沈黙後)わたしはそれらのすべてを要求します

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P306
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア


    自堕落の快楽に耽る人間かな。 - 銘無き石碑

    馬鹿な人間って可哀相だね。 - 銘無き石碑
こういう書物=メーヌ・ド・ビラン(kotobank.jp)の書物

神は違った者たちにはそれぞれ違った形で姿を現わすのだよ。
近代以前には神は
こういう書物に描かれているようなものとしてその姿を現わしたのだ。
ところが今じゃ‥‥‥
野蛮人:今はどんな形で現われますか
さあ、それは無として現われることになるね。全く存在しないかのようにね
野蛮人:それはあなたの罪ですよ
文明の罪だと言ってほしいね。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P271
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達...-ウィキペディア