すばらしい新世界 8

生 1932年
オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達による繁栄を享受する人間が、自らの尊厳を見失うその恐るべきディストピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた文明論的SF小説であり、描写の極端さが(多くのSF小説にあるように)きわめて諧謔的であるため、悲観的なトーンにもかかわらず、皮肉めいたおかしみが漂っている...-ウィキペディア

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せき止められた衝動はあふれ出る。
この氾濫が感情であり、激情であり、凶器でさえある。
それは流れの勢い、堰の高さと強さと左右される。
せき止められない水流は定められた水路をなめらかに流れていって、
おだやかな幸福へとたどりつく。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P53

小ということは下層階級のまったくいやな特徴だった。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P57

身分制度(カースト)もまた同様だった。たえず拒否された。
民主主義というものがあったのだ。
まるで人間が物理・化学的平等以上の何ものかであるように

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P58

つくろうより捨てる方がましだ、つくろうより捨てる方がましだ

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P62

わたしは新しい着物が大好き、わたしは新しい着物が大好き、わたしは‥‥‥

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P65

科学と技術は、安息日と同様、人間のためにそれらが造られたかのごとく利用され、
‥‥‥人間がそれらに適合され隷属されねばならぬかのようには用いられない。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P308
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SF小説の定義

現実の、もしくは想像された科学が
社会あるいは個人に与える衝撃をもっぱら取り扱った小説

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P310
SF小説の定義

科学小説は、(科学の進歩によって)われわれの環境に生じる目ざましい変化
――好むと好まざるとにかかわらず生じる変化が
人間に如何なる効果を及すかをまことらしさを以て描き出すものである

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P310