ニッコロ・マキャヴェッリ 94

1469年5月3日 - 1527年6月21日
イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。 著書に『君主論』、『ティトゥス・リウィウスの最初の十巻についての論考(ディスコルシ)』、『戦術論』がある。理想主義的な思想の強いルネサンス期に、政治は宗教・道徳から切り離して考えるべきであるという現実主義的な政治理論を創始した…-ウィキペディア

民衆とは、キケロも言ったように、無知ではあるけれども真実を見ぬく能力はもっている

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)221p

    君って面白みがないね。見抜けちゃったかな。 - 銘無き石碑

議題がなんであれ、会議というものに列席したことのある人ならば、なんと人間は誤った判断をくだすものかという想いを一度ならずもったにちがいない。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)223p

人間というものは、
一つの野心が達成されてもすぐ次の野心の達成を願うようにできている。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)229p

人間とは、その本性からして、
恩恵をほどこされた場合と同様に、恩恵をほどこす場合にも義理を感ずるものである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)229p

人間は、百パーセント善人であることもできず、
かといって百パーセント悪人であることもできない。
だからこそしばしば中途半端なことをしてしまい、破滅につながることになるのだ。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)230p

人間というものは、困難が少しでも予想される事業には、常に反対するものである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)231p
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はじめはわが身を守ることだけ考えていた人も、それが達成されるや、
今度は他者を攻めることを考えるようになる。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)231p

人間というものは、必要に迫られなければ善を行わないようにできている。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)232p

人間というものは、現にもっているものに加え、
さらに新たに得られるという保証がないと、
現にもっているものすら、保有しているという気分になれないものである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)233p

ある人物を評価するに際して最も簡単で確実な方法は、
その人物がどのような人々とつきあっているかを見ることである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)236p

まったくもって情けない現実だが、
人間というものは権力をもてばもつほどそれを下手にしか使えないものであり、
そのことによって、ますます耐えがたい存在と化すものである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)239p
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中ぐらいの勝利で満足する者は、常に勝者でありつづけるだろう。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)239p

誰だって、誤りを犯したいと望んで、誤りを犯すわけではない。
ただ、晴天の日に、翌日は雨が降るとは考えないだけである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)240p

良い面を残そうとすれば、どうしたって悪い面も同時に残さざるをえないのである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)243p

天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)244p

天国は退屈な人間しかいない

塩野七生 『マキアヴェッリ語録』(新潮文庫,1992)14p

新しい政策を断行しなければならない場合は、
人々に考え批判する時間を与えないよう次々と行うべきである

塩野七生 『ローマ人の物語14 パクス・ロマーナ [上]』(新潮文庫,2004)28p

いかなる事業も、それに参加する全員が、内容はそれぞれちがったとしても、
いずれも自分にとって利益になると納得しないかぎり成功できないし、
その成功を永続させることもできない

塩野七生 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ [中]』(新潮文庫,2004)89p
「第39章 再びワールド・プロブレム」

軍の指揮官にとって最も重要な資質は何かと問われれば、想像力であると答えよう

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)168p
「第63章 無題」
『手紙』

現実主義が誤りを犯すのは、相手も自分と同じように考え対処するであろうから、
バカなまねなどするはずはないと思いこんだときである

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)271p
「第63章 無題」
『政略論』

人間は、恵まれていなければ悩み、恵まれていればいたで退屈する。
そしてこの性向からは、同じ結果が生ずるのだ

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)271p
「第63章 無題」
『政略論』

ある者はより多くを獲得しようとし、他の者はもっているものを手放すまいとして、
争いが起こるのである

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)272p
「第63章 無題」
『政略論』

次の二つのことは、絶対に軽視してはならない。
第一は、忍耐と寛容をもってしても、
人間の敵意は溶解するものではないということであり、
第二は、報酬や援助を与えても、
敵対関係を好転することまではできないということである

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)272p
「第63章 無題」
『君主論』

国家にとって、厳重のうえにも厳重に警戒しなければならないことは、
軽蔑されたり見くびられたりすることである

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)272p
「第63章 無題」
『君主論』

良き力をもつ者は、良き友に恵まれるものである

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)273p