福澤諭吉 84

1835年12月12日 - 1901年2月3日
日本の武士(中津藩士のち旗本)、蘭学者、著述家、啓蒙思想家、教育者。慶應義塾の創設者であり、専修学校(後の専修大学)、商法講習所(後の一橋大学)、神戸商業講習所(後の神戸商業高校)、土筆ヶ岡養生園(後の北里研究所)、伝染病研究所(現在の東京大学医科学研究所)の創設にも尽力した...-ウィキペディア

語彙の少ない人の話は、聞いていて実に気の毒になる。

また今日不弁なる人の言を聞くに、その言葉の数はなはだ少なくしていかにも不自由なるがごとし。

顔色や容貌を、いきいきと明るく見せることは、人間としての基本的なモラルである。

顔色容貌の活発愉快なるは人の徳義の一ヵ条にして、人間交際においてもっとも大切なるものなり。

富は貿易より生ず

AERA Mook 36『幕末学のみかた。』(朝日新聞社,1998)P128
漢詩「贈医」
医学は自然と人間との闘いであり、知恵比べなんだ。
病気になった時に寿命だからと天に任せる、または運命だと言ってほしくない

 無 限 輸 贏 天 又 人
 医 師 休 道 自 然 臣
 離 婁 明 視 麻 姑 手
 手 段 達 辺 唯 是 真
 無限(むげん)の輸贏(しゅうえい)天また人
 医師 道(い)うを休(や)めよ自然(しぜん)の臣(しん)なりと
 離婁(りろう)の明視(めいし)と麻姑(まこ)の手と
 手段(しゅだん)の達(たつ)するの辺(へん)唯(た)だ是(こ)れ真(しん)なり

AERA Mook 68『工学がわかる。』(朝日新聞社,2001)P25

起こすも自力なれば倒すも自力なり

愚民を支配するにはとても道理を以て悟すべき方便なければ唯威を以て畏すのみ
西洋の諺に 愚民の上に苛き政府あり とはこの事なり
これは政府の苛きにあらず 愚民の自ずから招く災なり

現代語訳――
愚民を支配するには、
とても道理をもって悟らせるなど不可能なので、
ただ威圧して恐れさせる。
西洋のことわざ「愚民の上に厳しい政府あり」とはこのことである。
これは政府がそうしたのではなく、
愚民がそうした政府を許しているからだよ。
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ひろくこの人間世界をみわたすと、かしこい人、おろかな人、まずしい人、富める人などがいる。そのようなちがいができたのは、ただ、その人が学問をするかしないかに原因がある。

文章というものは、あいてにつうじなければなにもならない、
つまりわかりやすいことが第一

人の心は、人の顔がみなちがうようにいろいろである。
まるい顔、長い顔もあるように、その心もことなる。
短気な人、気の長い人、しずかな人、さわがしい人と、みなちがう。
それだから、自分の心にあわないからといって、腹をたててはいけない。