愛の年代記
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解説
恋の中に女の全人格は集中されうる。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)291p
大久保喬樹
1
1946年9月12日生まれ。比較文学者。東京女子大学教授。
女法王ジョヴァンナ
人間は、野望実現の過程では、
異性のことなど忘れてしまったとて、たいして残念にも思わない。
だが、いざ自分の夢が実現したとなると違ってくる。
とくに、自分の人生がこのままで終るのかと思うと、胸の中がゆらいでくるものだ。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)276p
女法王ジョヴァンナ
イェーリング『ローマ法の精神』(amazon.co.jp)に出てくる一節がもとになっている。
原文では、「ローマは世界に三度掟を示した、つまり、三度諸国民を結合した。
一度は国家統一という形で、一度は教会の統一という形で、一度は法の統一という形で」途中、一部省略。(blogs.yahoo.co.jp)
注:塩野七生『愛の年代記』では、現代のアメリカの法学者が言った言葉とある
イェーリング『ローマ法の精神』(amazon.co.jp)に出てくる一節がもとになっている。
原文では、「ローマは世界に三度掟を示した、つまり、三度諸国民を結合した。
一度は国家統一という形で、一度は教会の統一という形で、一度は法の統一という形で」途中、一部省略。(blogs.yahoo.co.jp)
注:塩野七生『愛の年代記』では、現代のアメリカの法学者が言った言葉とある
ローマは、三度世界を征服した。一度は武力で、次は法律で、三度目はキリスト教で
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)267p
ルドルフ・フォン・イェーリング
6
ドイツの法学者。1872年に出版された『権利のための闘争(Der Kampf u...-ウィキペディア
女法王ジョヴァンナ
恋は、より多く愛した者が敗者になるものだ。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)260p
女法王ジョヴァンナ
歴史とは、現代人の感覚で読んでしまうと、話がいっこうに進まないだけでなく、
少しも面白くなくなってしまうものである。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)249p
女法王ジョヴァンナ
今でも春は、若い心に生命力をふきこんで乱したりするものだ。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)232p
女法王ジョヴァンナ
学者とは、他人から見れば重要でないような小さなことに、通じている人々のこと
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)230p
女法王ジョヴァンナ
父親とジョヴァンナの掛け合い
父親とジョヴァンナの掛け合い
「娘よ、舌はなんの役をするのかね?」
「空気を鞭打つため」
「空気とはなにかね?」
「人生の要素」
「人生とはなにかね?」
「幸福な人にとっては楽しみ、貧しい人にとっては苦痛、
そして、すべての人にとって、それは死がやって来るまでの間」
「死とはなにかね?」
「人の知らない岸辺への追放」
「岸辺とはなにかね?」
「海がおわるところ」
「海とはなにかね?」
「お魚たちの家」
「食卓の上のごちそう」
「ごちそうとはなにかね?」
「上手な料理人の作った芸術品」
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)226p
パンドルフォの冒険
女は怖ろしい、あれは魔ものだ。
どんな聖女でも、それが女であれば、気を許したりしたら大変なことになる
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)172p
ドン・ジュリオの悲劇
良いこともできなければ、かといって悪事に徹底することもできない人とは、
何もできない人間ということになる。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)155p
ドン・ジュリオの悲劇
陰謀は、共謀者の数をなるべく少数にしぼり、
決断を下さした後は時を置かずに実行してこそ成功するものである。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)148p
ドン・ジュリオの悲劇
人は、自分自身で最も誇りに思っていることを傷つけられると、
悪魔に身を売ることさえ平気でやるものである。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)140p
ドン・ジュリオの悲劇
侯爵夫人のイザベッラ
侯爵夫人のイザベッラ
町の床屋とて、政談をする時は話してよいことと悪いことの区別をするものだ
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)137p
エメラルド色の海
伝説というものは、民衆の素朴な願望のあらわれであることが多い。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)103p
エメラルド色の海
フランス人もサヴァイア人も無知なのだ、と彼女は思った。
無知なだけでなく、
生ればかり気にして、出身が良いだけで安心している卑怯者の集まりだ
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)91p
エメラルド色の海
危険な仕事というものは、才能を示す機会にも恵まれるものだ。
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)81p
大公妃ビアンカ・カペッロの回想録
人間誰でも得意の時期になると、胸の思いを吐露する欲求も消えるであろう
塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)34p