悪名高き皇帝たち
軍事力を使って脅した後で握手する、というのも外交である。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)130p
病に伏したアグリッピーナは、見舞いにきたティベリウスに涙を流しながら訴えた
貞節な女にとって唯一のなぐさめは、正式な結婚しかないのです。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)218p
誇り高い人とは、何よりもまず自分自身に厳しい人である。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)212p
若い死は、誰に対しても哀惜の念を呼び起さずにはすまない。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)152p
自己制御の能力が十分な女を、女らしいとは評さないのが男ではあるのだけど。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)99p
統治の正当性とは、統治される側に、統治されることを納得させる理由である。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)21p
組織とはいかに良くつくられていても、それを機能させるのはやはり人間なのである。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)211p
私の考える「二流」は、
不足の事態への対処を迫られないかぎり、適度なことはできる人、という意味だ
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)76p
知識人とは、「知」を探求するだけでなく「知」で勝負する生き方を選んだ人である。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)110p
相手が馬鹿者であればあるほど、何をどう伝えるかは難事になる
塩野七生 『ローマ人の物語18 悪名高き皇帝たち [二]』(新潮文庫,2005)86p
歴史家の視界には、常に人間がある。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)114p
歴史に感心をもつことは、
自分をふくめた個々の人間の独創力に全面的な信を置かないことでもあるからだ。
言い換えれば、
「歴史は自分が創る」とは思わず、「歴史は人間たちが創る」と思う立場である。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)38p
歯車といえば、
いかに個々の歯車が良く出来ていても、それでイコール機能の向上にはならない。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)104p
権力をもてば、それがどのようなたぐいの権力であろうと、
権力をもたない側からの批判を浴びずにはすまない。
しかも権力者への非難とは、
なぜかその権力者に弱みが見えたとたんに、集中攻撃してくるものでもある。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)109p
有能なリーダーとは、人間と労苦と時間の節約に長じている人のことではないか
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)145p
有能なトップの下には有能な部下が集まる。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)73p
書物から得た知識も、現実とのつき合わせを経て、はじめて認識になりうる。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)84p
普通の人ならば悲しみを克服して仕事に復帰する時期になって、
誇り高き人ははじめて、深く重い疲労感をおぼえるのではないだろうか。
塩野七生 『ローマ人の物語17 悪名高き皇帝たち [一]』(新潮文庫,2005)212p
文章を武器とする人の「戦略」は戦略とは言わず、「構成」と称するだけがちがいだ。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)188p
敬意を払われることなく育った人には、
敬意を払われることによって得られる実用面でのプラス・アルファ、
つまり波及効果の重要性が理解できないのである。
ゆえに、誠心誠意でやっていればわかってもらえる、と思いこんでしまう。
残念ながら、人間性は、このようには簡単には出来ていない。
私などはときに、
人間とは心底では、心地良く欺されたいと望んでいる存在ではないかとさえ思う。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)190p
教育の成果とは、教える側の資質よりも教わる側の資質に左右されるものである。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)21p
政治は高度のフィクションである
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)17p
放って置かないのが、キリスト教なのである。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)168p
拒否権なしの常任理事国などは意味を成さない。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)50p
戦争は、武器を使ってやる外交であり、外交は、武器を使わないでやる戦争である。
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)144p