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政治は高度のフィクションである
塩野七生 『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち [四]』(新潮文庫,2005)17p
第13章◆憲法はよみがえるか
民主主義をめざして日々の努力の中に、はじめて民主主義は見出される。
小室直樹『痛快!憲法学』(集英社インターナショナル,2001)271p
官僚なり軍人なりの行為を制約しているものは少なくも第一義的には合法性の意識ではなくして、ヨリ優越的地位に立つもの、絶対的価値体にヨリ近いものの存在である…。法は抽象的一般者として治者と被治者をともに制約するとは考えられないで、むしろ天皇を長とする権威のヒエラルヒーに於ける具体的支配の手段に過ぎない。だから遵法ということは、もっぱら下のものへの要請である…。我が国に於ては「卑しい」人民とは隔たっているという意識が、それだけ最高価値たる天皇に近いのだという意識によって更に強化されているのである。
(丸山眞男著『超国家主義の論理と心理』岩波文庫版25~26頁)「改憲」に騙されてはならない。
既成事実への屈伏とは何か。既に現実が形成せられたということがそれを結局において是認する根拠となることである…。既にきまった政策には従わざるをえなかった、或は既に開始された戦争は支持せざるをえなかった云々という論拠である。
丸山眞男著『超国家主義の論理と心理』(岩波文庫版169頁)