信頼は、小出しにしないほうが、より大きな効果を産みやすい。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)234p
年齢が、頑固にするのではない。
成功が、頑固にする。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)22p
持続する人間関係は、必ず相互関係である。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)53p
真に優秀な弟子ならば、師のやり方の全面的な模倣では終わらない。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)72p
介入とは、長びけば長びくほど介入した側に不利に変わるのである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)168p
敗北とは、敵に敗れるよりも自分自身に敗れるものなのである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)170p
歴史を後世から眺めるやり方をとる人の犯しがちな誤りは、
歴史現象というものは、その発端から終結に向かって実に整然と、
つまりは必然的な勢いで進行したと考えがちな点である。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)176p
指導層の軟弱な態度は、たとえそれがやむをえないことであっても、
しばしば庶民のナショナリズムに火を点けるものである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)188p
母親の望む娘の結婚相手の理想像は、古今東西変わらない。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)31p
失業者とはただ単に、職を失ったがゆえに生活の手段を失った人々ではない。
社会での自らの存在理由を失った人々なのだ。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)48p
親しく振舞っても品位は落とさず、
各人がもつ能力は尊重しながらも、
決断のときは逸しない
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)88p
絶望に駆られた人は、容易に過激化に走る。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)98p
大衆とはいつの世でも、権力者や富裕階級への批判は喜んで聴くものである。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)135p
苦学という言葉くらい、スッラふさわしくないものはない。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)143p
プラス面しかもたないシステムなど、神の業であっても存在しない。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)155p
ローマ人の考える同胞は、ただ単に、ローマ市民権をもっている人、なのである。
塩野七生 『ローマ人物語6 勝者の混迷 [上]』(新潮文庫,2002)193p
最初に行動を起すのは、
この機を逃せば好機は二度とめぐってこないと信じて決断したときか、
または、プレッシャーに耐えきれなくなった場合である。
塩野七生 『ローマ人物語7 勝者の混迷 [下]』(新潮文庫,2002)47p
正規軍は勝たなければ負けだが、ゲリラは負けなければ勝ちなのである。
塩野七生 『ローマ人物語7 勝者の混迷 [下]』(新潮文庫,2002)95p
イエス・キリストは、人間は「神」の前に平等であると言ったが、
彼とは「神」を共有しない人間でも平等であるとは言ってくれていない。
塩野七生 『ローマ人物語7 勝者の混迷 [下]』(新潮文庫,2002)103p
システムの持つプラス面は、
誰が実施者になってもほどほどの成果が保証されるところにある。
反対にマイナス面は、
ほどほどの成果しかあげないようでは敗北につながってしまうような場合、
共同体が蒙らざるえない実害が大きすぎる点にある。
塩野七生 『ローマ人物語7 勝者の混迷 [下]』(新潮文庫,2002)120p
戦略や戦術の細部にいたるまで、兵士に説き明かす必要はない。
しかし、兵士たちが疎外されていると感じたのでは、良い結果を得ることはできない。
塩野七生 『ローマ人物語7 勝者の混迷 [下]』(新潮文庫,2002)152p
男にとって最初に自負心をもたらせてくれるのは、母親が彼にそそぐ愛情である。
塩野七生 『ローマ人物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [上]』(新潮文庫,2004)40p
保守的な人は、何によれ混乱を嫌う。
塩野七生 『ローマ人物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [上]』(新潮文庫,2004)62p
言動の明快な人物に、人々は魅力を感ずる。
はっきりする、ということが、責任を取ることの証明であるのを感じとるからだ。
塩野七生 『ローマ人物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [上]』(新潮文庫,2004)72p
人は、仕事ができるだけでは、できる、と認めはしても、心酔まではしない。
言動が常に明快であるところが、信頼心をよび起こすのである。
塩野七生 『ローマ人物語8 ユリウス・カエサル ルビコン以前 [上]』(新潮文庫,2004)72p