勝敗

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勝者には決し知り難い、敗者のみの知る人間の真実を、
できうる限りつかみとり、それを未来に生かす道をひらくことこそ、
近代史学をこえる新しい歴史学のなすべきことなのではなかろうか

AERA Mook 10『歴史学がわかる。』(朝日新聞社,1995)P8
網野善彦 3

日本の歴史学者。

第3章◆完全競争の光と影

勝者の影には敗者の群が隠されている

阪口大和『痛快!サバイバル経営学』(集英社インターナショナル,2002)P59
私の衰亡論

撃ちたたかれでもしたら、いさぎよく敗けを認め、
改めてもう一つ別の剣づくりにかかればよいのだ

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)210p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア

〝弟よ〟
シャンクス

勝利も敗北も知り 逃げ回って涙を流して男は一人前になる
泣いたっていいんだ‥‥‥!! 乗り越えろ!!!!

尾田栄一郎『ONE PIECE 巻六十』(集英社,2010)115p
ONE PIECE(ワンピース) 359

尾田栄一郎による日本の少年漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1997年...-ウィキペディア

〝わかっていた〟
Mr.3

たとえ それが人の加勢による賜物であっても勝利とは嬉しいものだ‥!!!
違うカネ?

尾田栄一郎『ONE PIECE 巻十四』(集英社,2000)74p
ONE PIECE(ワンピース) 359

尾田栄一郎による日本の少年漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1997年...-ウィキペディア

あらゆる取引が泥試合になりかねないし、
負けられない人は学べないから、成長できない。
負けない人だって努力するけれど、無目的に積んだ努力は、成熟に結びつかない。

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負けかたを知らないままで社会に出た人は、負けないことでしか自己を保てない。

学校で討論を行う目的というものは、「負けかたを習う」というところにある。
勝つ工夫は誰でもするし、教えなくても努力するだろうけれど、
負けかたは教わらないと泥試合になるし、「負けない」協議をどれだけ重ねたところで、
負けかたは習得できない。

お互いが認容可能な負けパターンを持っているなら、
競技には納得のいく落としどころが生まれる。
負けないことの価値は相対的に下がって、落としどころに向かう過程を楽しめる。

いい審判にゲームのジャッジをしてもらうことで、
競技者は納得のいく負けかたを習得することができる。

ゲームのルールや審判が競技者から信頼されて、初めて競技は成立する。

レジデント初期研修用資料(medt00lz.s59.xrea.com)より
お互いに納得のいく負けかたを審判が示すことができて、その判断が公正であると信頼されれば、競技者は気持ちよく負けられる。
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審判は、そこにいる誰もが納得する「負け」のありかたを提案してみせないと、
ゲームはつまらないものになる。

誰かに「勝つ」、説得するのは難しいけれど、
誰かに「負けない」ための技術というものには典型的なやりかたがいくつかあって、
それを習得して再現するだけで、議論をグダグダにすることができる。

負けるというのは誰かの価値を受け入れることで、学びそのものでもある。

学校で学ぶべき、学校でしか学べない大切なものというのは、「負けかた」なのだと思う。