カート・ヴォネガット・ジュニア 6

1922年11月11日 - 2007年4月11日
アメリカの作家。シニカルな作風で知られる。

  • 6件を表示

この値段なら
馬に食べさせてから
バラの肥やしにしても惜しくない

ある夏の終わりの麦わら帽子のバーゲンセールの広告コピーとして。
「チャンピオンたちの朝食」より

パティ・キーンはわざと頭を鈍くしていたが
これはミッドランド・シティのたいていの女にあてはまることだった。
女は大きな動物だから大きな脳を持っているが
つぎのような理由であまりそれを使おうとしない。
人並みはずれた考えは敵を作るおそれがあり
女は、もしいくらかでも安全と心の慰めを求めるなら
ありったけの友人が必要だからである。
そこで、生存のために、彼女たちは自分自身を訓練して
思考機械ではなく同意機械になろうとする。
彼女たちの頭がする仕事は、他人がなにを考えているかを発見し
それから自分もそれを考えるだけになる。

「チャンピオンたちの朝食」より

食い物ってのは、ただ食うだけじゃつまらない。
そのことでいろいろしゃべるのが楽しいんだ。
その手の食い物のことをよく知っている相手とね。

「食い物がまずいのかね?」
「いや、うまいさ。ただ、いろいろしゃべりたくなるような食い物じゃない」
「フム」
「食い物ってのは、ただ食うだけじゃつまらない」と彼はいった。
「そのことでいろいろしゃべるのが楽しいんだ。その手の食い物のことをよく知っている相手とね。
「ジェイルバード」より

若者たち自身は、たぶん生まれてからずっと
「うるさい」と叱られてばかりいたために
なにもいうことがなくなったのかもしれない

「ジェイルバード」より

神よ
どうか私を怖じ気づいた人間の監督下に置かないでください

「ジェイルバード」より

われわれが表向き装っているものこそ、われわれの実態にほかならない。
だから、われわれはなにのふりをするか
あらかじめ慎重に考えなくてはならない。

「母なる夜」より
広告