緒方洪庵 5

生 7年7月14日 命日 6月10日
江戸時代後期の武士(足守藩士)・医師・蘭学者。諱は惟章(これあき)または章(あきら)、字は公裁、号を洪庵の他に適々斎、華陰と称する。 大阪に適塾(大阪大学の前身)を開き、人材を育てた。天然痘治療に大きく貢献し、日本の近代医学の祖といわれる。-ウィキペディア

  • 5件を表示

病者の費用少なからんことを思うべし。
命を与うとも、その命を繋ぐの資を奪わば、また何の益かあらん。
(現代語訳――
患者さんが負担する金額は少なければ少ないほどいいなぁ。
命を救った気になってみても、その命を繋ぐために必要な資金を奪ってちゃ、
何の意味もないもんなぁ。)

もともとはドイツの名医フーフェランドの言葉で、それを和訳したもの。

    まともなことを言ってるね - 銘無き石碑
「洪庵のたいまつ」

医者がこの世で生活しているのは、人のためであって自分のためではない。
決して有名になろうと思うな。また利益を追おうとするな。
ただただ自分をすてよ。そして人を救うことだけを考えよ。

司馬遼太郎『対訳 21世紀に生きる君たちへ』(朝日出版社,1999)38p

医者は世間の人に愛される人でなければならない。いかに学術が優れていようとも、言行が厳格であっても、世間の人に信用がなければならない。医者は病人の秘密を知りうる職業なので、その行動は篤実温厚を旨とし、決して他人に話してはならない。

『扶氏医戒之略』より

病者に対してはただ病者を診るべし。
貴賎貧富を顧みることなかれ。

『扶氏医戒之略』より

仕事の費用が少なくなるように考慮するのがよい。人の役に立っても命をつなぐためのお金を奪ってしまっては何の益にもならない。貧しい人々においては必ずその経済状態を考慮しなければならない。