判断力
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「第5章 嘘の効用について」
子供自身に自分の得になるかの判断力がないから、悪の道に踏み込むのだ。
塩野七生 『男たちへ』(文春文庫,1993)45p
これまでの経験から、たくさんの知識がばらばらに思い浮かぶ。
だが、それらはジグソーパズルのピースのようなものなので
そのままでは役に立たない。
方向性やプランに基づいて、ばらばらの知識のピースを連結するのが知恵の働きである。
将棋でもっとも大事なのは、一つの場面で正確な判断を下すことだ。
その基準を瞬時に見いださなければならない。
彫刻家は心に宿した作品ゆえに重い。
どのように捏ね上げるかを知らなくても、そんなことはどうでもいい。
親指の動きを繰り返し、過誤に過誤を、矛盾に矛盾を重ねながら、
粘土を通じて、まっすぐに己の創造へと歩んでゆくだろう。
知性にしても、判断力にしても、創造者ではない。
彫刻家が知識と知性に過ぎないならば、彼の手は天才に欠けるに違いない。
『城砦』より
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
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フランスの作家、操縦士。郵便輸送のためのパイロットとして、欧州-南米間の飛行航路...-ウィキペディア