だまされる人よりも、だます人のほうが、数十倍苦しいさ。
地獄に堕ちるのだからね。
「かすかな声」より
幸福の便りというものは、まっている時にはけっして来ないものだ
「正義と微笑」より
ただ、いっさいは過ぎていきます。自分が今まで阿鼻叫喚で生きてきた、いわゆる人間の世界において、
たった一つ、真理らしく思われたのは、それだけでした
「人間失格」より
「男女同様」とは、男の地位が、女の地位にまであがったことなのです
「断片」より
十歳の民主派、二十歳の共産派、三十歳の純粋派、
四十歳の保守派。
「苦悩の年鑑」より
ぽかんと花を眺めながら、
人間も、本当によいところがある、と思つた。
花の美しさを見つけたのは人間だし、
花を愛するのも人間だもの。
「女生徒」より
「人間は決して人間に服従しない。奴隷だって卑屈なしっぺ返しをするものだ」
弱虫は、幸福をさえおそれるものです。
綿で怪我をするんです。
幸福に傷つけられる事もあるんです。
『人間失格』より
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自分には幸福も不幸もありません。
ただ、一切は過ぎて行きます。
自分が今まで阿鼻叫喚で生きて来た
所謂『人間』の世界に於いて、
たった一つ、真理らしく思はれたのは、
それだけでした。
ただ、一さいは過ぎて行きます
人間失格
「世渡りの才能。……自分には、ほんとうに苦笑の他はありませんでした。自分に、世渡りの才能! しかし、自分のように人間をおそれ、避け、ごまかしているのは、れいの俗諺の『さわらぬ神にたたりなし』とかいう怜悧狡猾の処生訓を遵奉しているのと、同じ形だ、という事になるのでしょうか。ああ、人間は、お互い何も相手をわからない、まるっきり間違って見ていながら、無二の親友のつもりでいて、一生、それに気附かず、相手が死ねば、泣いて弔詞なんかを読んでいるのではないでしょうか。」 - ルンペン
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