0 コメント数 シェア ユダの母親出版した本の題名は、『手に負えぬ息子を抱えて』というのです。宣伝文句には、――泣きたくなる母の心情の、赤裸々な全告白!――とありましたよ。 こういう本は、売れるんですなあ。実際に手に負えぬ息子を持つ母親だけでなく、それほどでもないのに常におぼえている母親たちも、買うからかのでしょう。これらの母親たちは、これを読んで、「まあまあうちの息子は、これほどでなくてよかった」と、秘かに安心したいからなのです。 塩野七生『サロメの乳母の話』(新潮社,2003)98p 7 タグ
0 コメント数 シェア カリグラ帝の馬 大衆の気分というのは、こんなふうに、右から左へ大きくゆれ動くものなのだ。過激は、なにも〝過激派〟だけの専売特許ではないという証拠さ。 塩野七生『サロメの乳母の話』(新潮社,2003)117p 2 タグ
0 コメント数 シェア 師から見たブルータスブルータスの招待を受けて、ローマへ行く旅の途中で話し合うようになったギリシアの若者 男と生まれた者にとっての最高の幸せは、優れた指導者に恵まれることです 塩野七生『サロメの乳母の話』(新潮社,2003)144p 6 タグ
0 コメント数 シェア ネロ皇帝の双子の兄 利口だと思っている女はたいがい馬鹿だから、重要でもないことにはわいわい口出したがるけれど、重要な事柄には無関心 塩野七生『サロメの乳母の話』(新潮社,2003)178p 2 タグ
0 コメント数 シェア 饗宴・地獄篇 第一夜江青 わたしたちに、主義や立場のちがいなんてないんだわ。女として、いや人間として見事に生きるしか、わたしたちの評価を決めるものはないのね 塩野七生『サロメの乳母の話』(新潮社,2003)210p 3 タグ
0 コメント数 シェア エメラルド色の海 フランス人もサヴァイア人も無知なのだ、と彼女は思った。無知なだけでなく、生ればかり気にして、出身が良いだけで安心している卑怯者の集まりだ 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)91p 4 タグ
0 コメント数 シェア ドン・ジュリオの悲劇 人は、自分自身で最も誇りに思っていることを傷つけられると、悪魔に身を売ることさえ平気でやるものである。 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)140p 5 タグ
0 コメント数 シェア ドン・ジュリオの悲劇 陰謀は、共謀者の数をなるべく少数にしぼり、決断を下さした後は時を置かずに実行してこそ成功するものである。 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)148p 6 タグ
0 コメント数 シェア ドン・ジュリオの悲劇 良いこともできなければ、かといって悪事に徹底することもできない人とは、何もできない人間ということになる。 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)155p 1 タグ
0 コメント数 シェア パンドルフォの冒険 女は怖ろしい、あれは魔ものだ。どんな聖女でも、それが女であれば、気を許したりしたら大変なことになる 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)172p 2 タグ
0 コメント数 シェア 女法王ジョヴァンナ父親とジョヴァンナの掛け合い 「娘よ、舌はなんの役をするのかね?」「空気を鞭打つため」「空気とはなにかね?」「人生の要素」「人生とはなにかね?」「幸福な人にとっては楽しみ、貧しい人にとっては苦痛、そして、すべての人にとって、それは死がやって来るまでの間」「死とはなにかね?」「人の知らない岸辺への追放」「岸辺とはなにかね?」「海がおわるところ」「海とはなにかね?」「お魚たちの家」「食卓の上のごちそう」「ごちそうとはなにかね?」「上手な料理人の作った芸術品」 塩野七生『愛の年代記』(新潮社,1978)226p 5 タグ