夏目漱石

飼われてみると人間ほど身勝手な生き物はない。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P32
中島国彦 1

1946年生まれ。早稲田大学文学部教授。

頭と腕を挙げて実世間に打ち込んで、
肉眼で指す事の出来る権力か財力を攫まなくつては男子でない

金を見ると、どんな君子でもすぐ悪人になるのさ

『こゝろ』より。
先生(こゝろ) 4

仕事に就かず、東京に妻とひっそり暮らしている。「下 先生と遺書」で“私”として自...

金に生きるは下品にすぎる
恋に生きるは切なすぎる
出世に生きるはくたびれる
とかくこの世は一天地六

必殺シリーズ 4

日本の時代劇シリーズ。 テレビ番組をはじめ、映画や舞台も存在する。

議論はいやよ。よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。
空の盃でよくああ飽きずに献酬ができると思いますわ

静(こゝろ) 3

先生の妻。「下」の前半部分では“お嬢さん”と書かれている。

覚醒した女は昔のように男に仕えなくなるだろうし、
男は昔のように女を弄ぶことができなくなるだろう。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P66
佐藤泉 3

1963年生まれ。青山学院短期大学国文学科専任講師。

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自分の世界が二つに割れて、割れた世界が各自に働き出すと苦しい矛盾が起る。
多くの小説は此矛盾を得意に描く

自分のしている事が、自分の目的になっていない程 苦しいことはない

夏目漱石『行人』
長野一郎 3

者であり物事を深く掘り下げて考える性質がある。妻の直を理解できないと思い、弟の二...

脳病や神経衰弱は、子宮の病とみなされたヒステリーと、いわば対照的に用いられた。
前者は〝男の病〟として、後者は〝女の病〟としてである。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P92
川村邦光 1

1950年生まれ。大阪大学文学部教授。

バッハの音楽を聴いた最初の記憶はと問われ

私自身の演奏だ

グレン・グールド 1

1932年9月25日 - 1982年10月4日 カナダのピアニスト、作曲家。

私を生んだ私の過去は、
人間の経験の一部分として、私より外に誰も語り得るものはないのです

『こゝろ』より。
先生(こゝろ) 4

仕事に就かず、東京に妻とひっそり暮らしている。「下 先生と遺書」で“私”として自...

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熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より‥‥‥
日本より頭の中の方が広いでせう
囚はれちや駄目だ。いくら日本の為を思つたつて贔屓の引倒しになる計だ

庄司(三四郎) 1

佐々木によれば、東京大学の「文科で有力な教授」(第9章)。博士。「精養軒の会」に...

漱石を読むための安全地帯は存在しない。
それは、転落する危険と隣り合わせの場所にしかない。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P27
小谷野敦 2

1962年生まれ。大阪大学言語文化部助教授。

Kの自殺以来

死んだ気で生きて行こう

先生(こゝろ) 4

仕事に就かず、東京に妻とひっそり暮らしている。「下 先生と遺書」で“私”として自...

死ぬか、気が違うか、夫れでなければ宗教に入るか。僕の前途には此の三つのものしかない

夏目漱石『行人』
長野一郎 3

者であり物事を深く掘り下げて考える性質がある。妻の直を理解できないと思い、弟の二...

本村洋が、事件(光市母子殺人事件)後、感銘を受けた一文。

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。

夏目漱石『草枕』冒頭
草枕 1

夏目漱石の小説。1906年に「新小説」に発表。熊本県玉名市小天温泉を舞台にして、...

我輩は猫である。名前はまだ無い。

我は我が愆を知る。我罪は我前にあり

里見美禰子(三四郎) 1

自由放任主義で育った都会の女性。三四郎を翻弄する。まぶたは二重。英語が得意。亡き...

恐れない女は、男たちのように死なない。どこまでもしたたかに生き続ける。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P71
押野武志 2

1965年生まれ。広島文教女子大学専任講師。

小説は自然を彫刻する。自然其物は小説にならぬ

小説は此三梃の使命を順次に述べなければならない

対象について「わかる」ということは、
それを読んでいる自分自身について「わかる」ことから始まっていくのである。

AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P51
村瀬士朗 1

1958年生まれ。鹿児島経済大学助教授。

妾(わたし)なんか丁度 親の手で植え付けられた鉢植のやうなもので
一遍植られたが最後、誰か来て動かして呉れない以上、とても動けやしません

夏目漱石『彼岸過迄』より。
1

一郎の妻。

女が偉くなると、かう云ふ独身ものが沢山出来て来る。
だから社会の原則は、
独身ものが、出来得ない程度内に於て、女が偉くならなくつちや駄目だね

広田萇(三四郎) 1

第一高等学校の英語教師。身長は5尺6寸(約170cm。第11章)。母は明治憲法発...

大抵の男は意気地なしね、いざとなると

直(行人) 2

一郎の妻。