アルチュール・ランボー 87

1854年10月20日 - 1891年11月10日
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー(フランス語: Jean Nicolas Arthur Rimbaud, 1854年10月20日 - 1891年11月10日)は19世紀のフランスの詩人、貿易商人。象徴主義の代表的な詩人である。ランボオとも表記される。主な作品に散文詩集『地獄の季節』『イリュミナシオン』など。...-ウィキペディア

不幸こそはぼくの神だった。ぼくは泥濘のなかに身を横たえた

『地獄の季節』

いったいだれがこの言葉をこんなにも不実にしたのだろう

『地獄の季節』

今や、「人間」が神様だ!
だが「愛」はさけ難い「真実」だ!

それなのに、すでに神々は在りまさぬ!
今や、「人間」が王様だ。

見渡す限り恋の天地さ!
もっと、こっちへ、くっつきたまえよ!

あらゆるものに縛られた
哀れ空しい青春よ、
気むずかしさが原因で
僕は一生をふいにした。


    多くの人と関わって、独りよがりを回避しましょう。 - 銘無き石碑
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ほったらかしの 牧の草
生えて育って花が咲く
よいもわるいも同じ草。

幸福が僕に力を入れるので、
僕は幸福に飽いちゃった!

学問と我慢がやっと許してもらえるだけで・・・・・。
刑罰だけが確実で。

泣きながら、僕は金いろのものを見た、
そのくせ飲めはしなかった。

世間的ではない声よ
つつましやかな光栄で
僕を取りまいておくれ。

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この世は欠点だらけだと、
君は言うのか?驚いて?
気にせずに、生きて見たまえ!
たいていな不運なんかは放っといて・・・・・。

人間的な願望から
人並みのあこがれから、
魂よ、つまりお前は脱却し、
そして自由に飛ぶという・・・・・。

永遠

彼は感じる、身に享ける緩急の愛撫につれて
泣きたいほどの切なさが湧き上がりまた消えるのを。

どうやらそれでも寝部屋まで彼女の肌の味わいは持って戻った。

やがてあなたは気づくでしょう、頬がひりひりしてきたと。
軽い接吻が気狂いの蜘蛛ほど走り廻るでしょう
あなたの華奢な襟首を。

いよいよ君は恋する身、八月までは仕切られて!
いよいよ君は恋する身、君の短詩を彼女は嘲笑う。

どんな夢見に憑かれるか?
不可思議のアジアの夢か
京のまた大阪の?

もの言わず、ものも思わず、
愛のみが心に湧いて、
さすらいの子のごと遠く僕は行く

接吻欲しさの手管と知れた!
小さな声で、「さわってみてよ、あたしの頬っぺに風邪ひいちゃったらしいの・・・・・。」

おませな娘

壮りの血気はシャンパンさ、頭へのぼる。
ぶらつくほどに、唇にわなわなと接吻を感じる。
はっきりここに、生きもののような。

六月の宵!十七歳!・・・・・うっとりするね。

恋の息吹が吹きすぎた、夜の暗がりを・・・・・。

十七歳、まだ分別にやや欠ける
無理はない、遊歩場に、
緑の菩堤樹が並んでる。

正午の海の水浴を待つ間のしばし
彼らの精力が落着いていられるように。