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真の愛は悪に対する憎悪を十分に含むものである。仮面的の愛または浅き愛は、悪を憎むことを知らない。けれども深き真なる愛は、かくあることはできないのである
「ロマ書の研究」より
貧は自由の伴侶である。束縛は富に伴なう者である。富は人の作った者である。故に富んで人世の束縛よりは離るる事は甚だ難くある。貧者の一つの幸福は世が彼の交際を要求しないことである
「所感十年」より
富も財産なり、智識も財産なり、健康も財産なり、才能も財産なり、
而して意思も亦財産たるなり、而して意志の他の財産に優る所以は、何人も之を有すると之を己が欲する儘に使用し得ることに存す
「所感十年」より
懐疑は思想の過食よりくる脳髄の不消化症なり。
「所感十年」より
懐疑は疑うよりも良し、
然れども疑わずして深く信ずる能わず、懐疑は進行のために必要なり。
「所感十年」より
家庭は日本最大多数に取りては幸福なる処ではなくして忍耐の処である
「所感十年」より
恐るべき者は宗教家にあらず、彼らは時代の子なり、
神の僕に非ず、彼らは時代の思潮に逆いて何事をも為し得る者に非ず。
「所感十年」より
信仰は信仰に由りて維持するに能わず、信仰は労働に由りてのみ能く維持するを得べし、
信仰は根にして労働は枝なり
「所感十年」より
真理を証するもの三つあり、
すなわち天然と人と聖書
「断片」より
愛に疑惑なし、最大の真理なればなり
「所感十年」より
婦人を遇する道は、その高貴なる品性をはげすにあり、
その賤劣なる虚栄心に訴うるにあらず
「独立宣言」より
自然の自然は自然なり。自然主義者の自然は不自然なり。
「聖書之研究」より
人の生涯は、罪を侵しつつ死を前に望む恐怖の生涯である。罪の苦悶と死の恐怖と、この二つは、人が墓までたずさえ行くべき道づれである
「ロマ書の研究」より
「地理学は吾人の深き注意と研究を要するもの」としてその理由を六点にわたり述べている。
第一に、「地理学は諸学の基なり」
第二に、地理は殖産に不可欠であり
第三に、地理学を学ばずして政治を談ずるなかれ
第四に、地理の美術文学における慈母の其子におけるの関係なり
第五に、誰か云う宗教に地理学の要なしと、
誰か宗教歴史を読んで地理学の無用を認めしものぞある
第六に、地理学によって吾人は健全なる世界観念を涵養すべきなり
『地人論』第一章「地理学研究の目的」
眼を自国の外に注がざるものにして、よく宇宙を包括する観念の起こるべき理なし
『地人論』第一章「地理学研究の目的」
周遊:間違い
人に謙遜、寛裕、博愛の念を喚趣せしむるの最上策は、
彼をして世界を周遊せしむるにあり、
しこうして之に次ぐの策は彼をして世界地理を知らしむるにあり
『地人論』第一章「地理学研究の目的」
真理を恋ひ慕ふ誠意を以てすれば地理学は一種の愛歌なり、
山水を以て画がかれたる哲学なり、造主の手に成れる預言書なり
『地人論』第一章「地理学研究の目的」