ジョージ・ゴードン・バイロン 127

1788年1月22日 - 1824年4月19日
イギリスの詩人。バイロン卿として知られ、単に「バイロン卿」というとこの第6代男爵を指すことが殆どである。...-ウィキペディア

君が私を愛すると夢みたのを、君はゆるすにちがいなく
眠りのなかまでも、君は怒りをさしのばさないだろう。

いまからはそのやさしい愛撫を諦める。
君の名さえ汚れなければ、なにごとをも

そのような痛みを、君にあたえるよりは
わが、ほしいままの思いをこそ忘れよう。

ただひとたび、思いがせまって
眼をあげてあなたをみつめたのだが
その日からは、大空のもとに
あなたのほかのものをながめることはない。

夜は、恋すためにつくられ
そしてたちまち昼はかえってくるが、
しかし、われらは、さまようのをやめよう
月光にいざなわれてさまようのを。

しかし胸には、憩いの息をあたえねばならぬ
恋にも、やすらかな静まりを。

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翼を持つ少年「恋」は
結局、少年むきのものさ

この世の、どんな歓びも
恋とは比べようもないのだが。

私は世を愛さなかった、世もまた私を

ああ、わたしの、さびしい胸よ、さびしい枕よ。

私は知っている、
私の失ったものが何であろうと
私から、君を奪うことだけはできなかった、と。

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ああ、君こそは、空に最後まで消えぬ
ただひとつの星であった。

わが心にあるのは君ばかり
彼らのことは思わぬ。

または、心に忘れがたい苦しみをうけながらも
ふたたび恋に、君の恋に、囚われたであろうか。

ことばを許せよ、いかに君を傷つけるかを
知りながらのこの一言をゆるせよ
君の心のなかに生きることのかなわぬうえは

わが故郷、わが望み、わが青春は去った
しかし、恋は去らず、ただひとりを恋しつづける。

恋もした だれがこばむか 心に知った
恋の火の燃えるときも、歓びはないものと。

永久に、まちがいなしという記録はこうだ
「女よ、君の契りは、砂のうえに彫られたもの」

また、人の悲しみを心から悲しむものもおり、
一人か二人かは、身かけと変わらぬものもあり
善とは名ばかりでなく、幸福とは夢でない、と。

しかし、かがやく太陽の下に生れたすぺいん娘こそ
恋のためにこそ生きているというものだ。

わが最大の悲しみは、もはや何ものも
わが涙をさそう力がないということだ。

しかしわが胸は、ああ、その深傷にも耐え
その昔のままに強く波うつ
ただひとりのほかを、心から恋したことはなく。

いま一度び、くりかえせよ、美しいひとよ
しかし、その言葉が 悲しいと思うならば、やめよ
君の胸の痛むのを、私は好まない。

しかしこの恋を、わたしは秘そう。
君に苦悩の涙をながさせてはならぬゆえに。

去れよ、涙は空しいものでしかない
死は、悲しみを知ることも、きくこともない