ローマ世界の終焉
嫉妬とは、自分よりも優越している者に対して憎しみの心をいだくこと
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)41p
はっきりしない状態でも行動せざるをえない場合に起こりがちなのは、
双方ともの誤解であるのだ
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)25p
結婚式が行われた小ぶりの礼拝堂の、祭壇に向って右側の壁に描かれていた文字
ナナミーは、キリストをローマ人(ROMANUS)に入れ替えた。
ナナミーは、キリストをローマ人(ROMANUS)に入れ替えた。
CHRISTUS VINCUT キリストが勝利し、
CHRISTUS REGNAT キリストが君臨し、
CRISTUS IMPERAT キリストが統治する
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)16p
結婚式というものは、
花婿か花嫁のどちらとも近しい関係にない者にとっては特別な感慨はない。
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)16p
力量はありながら
それを活かすことを知らない時代に生まれてきてしまった人に対しては、
高所に立って批判することよりも、こうこうでした、と物語るしかないのである。
そしてこれが、私が歴史上の人物に対するときの、姿勢(スタイル)になって久しい。
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)10p
亡国の悲劇とは、
活用されずに死ぬしかなかった多くの人材の悲劇、と言ってもよいと思う。
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)10p
人材は、興隆期にだけ現れるのではない。衰退期にも現れる。
しかもその人材の質は、興隆期には優れ衰退期には劣るわけではないのだ。
興隆期と衰退期の人材面での唯一のちがいは、興隆期には活用されたのに
衰退期に入ると活用されない、ということだけである。
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)10p
亡国の悲劇とは、人材の欠乏から来るのではなく、
人材を活用するメカニズムが機能しなくなるがゆえに起る悲劇、ということである。
塩野七生 『ローマ人の物語41 ローマ世界の終焉 [上]』(新潮文庫,2011)10p