ハンニバル戦記
長期戦とは経済力が優れている側が勝つとは限らない
塩野七生 『ローマ人物語3 ハンニバル戦記 [上]』(新潮文庫,2002)8p
ハンニバルとまみえる部下たちに対して
諸君は、新たなる敵と闘うとは思ってはならない。
彼らは、われわれが二十三年前に打ち破った、敗者の残党だ。
われわれは彼らに勝って、シチリアとサルデーニャを得た。それゆえに、
対等の戦士同士の闘いではなく、勝者と敗者が再びあいまみえる闘いと思ってよい。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)51p
ルキウス・コルネリウス・スッラ
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共和政ローマ期の軍人・政治家。スッラと呼ばれることが多いが、スラと表記されること...-ウィキペディア
誰も考えなかったやり方によって問題を解決するという点ではコロンブスの卵だが、
そのやり方を踏襲すれば誰がやっても同じ結果を産むとはかぎらないという点で、コロンブスの卵ではないのである。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)48p
苛酷に対処しなければならないとしたら、それは一時的に集中して成されるべきである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)203p
ニッコロ・マキャヴェッリ
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イタリア、ルネサンス期の政治思想家、フィレンツェ共和国の外交官。 著書に『君主...-ウィキペディア
真に優秀な弟子ならば、師のやり方の全面的な模倣では終わらない。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)72p
歴史を後世から眺めるやり方をとる人の犯しがちな誤りは、
歴史現象というものは、その発端から終結に向かって実に整然と、
つまりは必然的な勢いで進行したと考えがちな点である。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)176p
敗北とは、敵に敗れるよりも自分自身に敗れるものなのである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)170p
指導層の軟弱な態度は、たとえそれがやむをえないことであっても、
しばしば庶民のナショナリズムに火を点けるものである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)188p
持続する人間関係は、必ず相互関係である。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)53p
子供を叱るときに母親が使う言葉
戸口に、ハンニバルが来ていますよ
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)185p
戦闘とは、激動の状態である。
ゆえに、戦場でのすべての行為は、激動的に成されねばならない
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)128p
アレクサンダー大王
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アレクサンドロス3世・古代マケドニア王(紀元前356年- 紀元前323年)
戦争終了の後に何をどのように行ったかで、その国の将来は決まってくる。
塩野七生 『ローマ人物語3 ハンニバル戦記 [上]』(新潮文庫,2002)90p
戦争くらい、当事国の民を裸にして見せてくれるものもない
塩野七生 『ローマ人物語3 ハンニバル戦記 [上]』(新潮文庫,2002)8p
年齢を重ねることと慎重であることは正比例と思われているが、必ずしもそうではない。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)228p
年齢が、頑固にするのではない。
成功が、頑固にする。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)22p
宗教を信ずるか信じないかは、所詮は個人の問題である。
ただし、信ずる者の多い共同体を率いていく立場にある者となると、
個人の心情に忠実であればよいということにはならない。
塩野七生 『ローマ人物語3 ハンニバル戦記 [上]』(新潮文庫,2002)73p
天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。
誰もが見ていながら重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)127p
ターラント人に対して
多くのことは、それ自体では不可能事に見える。
だが、視点を変えるだけで、可能事になりうる。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)164p
ハンニバル
3
カルタゴの将軍。
問題の解決は早めに成されるべきであって、
自分の家の庭に敵が侵入してきてからでは遅いのである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)99p
ガルバ
1
紀元前二〇〇年度の執政官。
優れた武将は、主戦力をいかに有効に使うかで、戦闘の結果が決まることを知っている。
その主戦力を有効に使うには、非主戦力の存在が不可欠であることも知っている。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)48p
街の長老たちから、(許婚がいる)美しく若い娘を贈られたことに対して
個人としてならばこれほど嬉しい贈物もないが、
戦争続行中の司令官となると、これほど困る贈物もない
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)218p
スキピオ・アフリカヌス
3
共和政ローマ期の軍人、元老院議員。
信頼は、小出しにしないほうが、より大きな効果を産みやすい。
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)234p
ローマ人のことわざ
何であろうと、ハンニバルは通過する
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)96p
介入とは、長びけば長びくほど介入した側に不利に変わるのである。
塩野七生 『ローマ人物語5 ハンニバル戦記 [下]』(新潮文庫,2002)168p
人間とは、自分自身の犠牲は甘受する覚悟にはなれても、
自分の子までが支配階級の無能の犠牲になるのまでは、甘受する気にはなれない
塩野七生 『ローマ人物語4 ハンニバル戦記 [中]』(新潮文庫,2002)74p