無知の知
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≪分からない≫ということを自覚した人だけが研究者になるのです。
AERA Mook 9『芸術学がわかる。』(朝日新聞社,1995)P15
佐々木健一
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1943年生まれ。東京大学人文社会系大学院・文学部教授。
対象化する働きとしての知恵には、無知の知という矛盾が潜んでいるのであった。
それが精密化されてゆくとき、その対象の陰で、人間は容易に自らを見失うことになるだろう。
それが精密化されてゆくとき、その対象の陰で、人間は容易に自らを見失うことになるだろう。
死とは人間にとって福の最上なるものではないかどうか、何人も知っているものはない。
しかるに人は
それが悪の最大なるものであることを確心しているかのようにこれを恐れるのである。
しかもこれこそまことにかの悪評高き無知、
すなわち自ら知らざることを知れりと信ずることではないのか
『ソクラテスの弁明』(岩波文庫)