対象化する働きとしての知恵には、無知の知という矛盾が潜んでいるのであった。
それが精密化されてゆくとき、その対象の陰で、人間は容易に自らを見失うことになるだろう。

死とは人間にとって福の最上なるものではないかどうか、何人も知っているものはない。
しかるに人は
それが悪の最大なるものであることを確心しているかのようにこれを恐れるのである。
しかもこれこそまことにかの悪評高き無知、
すなわち自ら知らざることを知れりと信ずることではないのか

『ソクラテスの弁明』(岩波文庫)
ソクラテス

ソクラテス 46

紀元前469年 - 紀元前399年4月27日
古代ギリシアの哲学者である。長母音を発音するならソークラテース。妻は、悪妻として知られる、クサンティッペ。 ソクラテス自身は著述を行っていないので、その思想は弟子の哲学者プラトンやクセノポン、アリストテレスなどの著作を通じ知られる。...-ウィキペディア


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