人を殺すのに女性のほうが著しく劣っているという証拠はなにひとつない

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)18p

セックスのない社会は一世代で消滅してしまう。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)24p
マッカーサーの言葉

兵士ほど平和を祈る者はほかにいない。
なぜなら、戦争の傷を最も深く身に受け、その傷跡を耐え忍ばねばならないのは兵士だから

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)35p
グレン・グレイ(第二次世界大戦を体験)の言葉

私は恥ずかしい。自分自身の行いが、わが祖国の行いが、
人類全体の行いが恥ずかしい、人間であることが恥ずかしい

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)56p
ナポレオンの言葉

最も危険な瞬間は勝利の直後である

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)139p
アラン・バルビュスの言葉

湿気はライフルだけでなく兵士をも錆びつかせる。ゆっくりと、しかしより深く侵食は進む

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)142p
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ウィリアム・ティカムサ・シャーマンの言葉

戦争は地獄だ。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)000p
老退役兵の言葉

若くて元気なうちは頭から閉め出しておけても、
老年になると記憶は夜ごとの夢に戻ってくる。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)145p
ヴィクトル・フランクル(ナチ強制収容所の生還者)の言葉

異常な状況に異常な反応を示すのは正常な行動である。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)150p
モラン卿の言葉

成果をあげることは、たちまち士気をよみがえらせる。
……だが、概して時間は兵士の敵である

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)160p
ジョン・キーガン&リチャード・ホームズ「兵士たち」より

兵士は殺され、傷つく危険を冒しているだけでなく、他者を殺し、傷つけてもいるのだ。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)163p
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第二次大戦に従軍したもとドイツ兵の言葉

あのときは大したこととも思わなかったが、いま思い出すと
……私はこの手であの人たちを虐殺したんだ。皆殺しにしたんです。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)165p
ダグラス・ハーヴィ(第二次大戦の爆撃機パイロット。再生ベルリンを60年代に訪れて)
ポール・ファシル「戦時」より

私には罪悪感はなかった。達成感もなかった。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)190p
アルダン・デュピク「戦争の研究」より

離れて戦おうとするのは人間の本能だ。
最初の日から人はそのために努力し、その後もずっと努力しつづける。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)194p

殺人という行為に惹かれるのも、近距離での殺人に抵抗を感じるのも、
多くの場合そのよってきたる源にあるのは人間の邪悪さである。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)232p
デーヴ・グロスマンが面接した、ベトナムで六期を務めた古参兵の言葉

人を殺すのはセックスに似てる。中毒になるんだ。
セックスとおなじで、へたをすると溺れる。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)236p
S・L・A・マーシャル「発泡しない兵士たち」より

戦争を理解するには、まず人間の本性を理解することだ。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)240p
キングズリー・エイミス「ザ・マスターズ」より

命令があやふやだと銃手は外す
信用できそうに見える者だけが信用される……

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)241p
ピーター・ワトスン「精神の戦争」より

敵を殺す動機と意志は、同輩や仲間の死とともに消滅する。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)253p

正気の人間なら望まないこと(つまり殺し、殺されること)を
戦場の兵士が実行する第一の動機は、
自己保存本能ではなく、戦友に対する強力な責任感である。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)253p
グウィン・ダイアが面接調査したあるベトナム帰還兵(海兵隊員)のことば

どんなに訓練を受けてても、第一の本能は死にたくないってことだ。
……だけど、まわれ右して逃げ出すわけにはいかない。仲間の圧力だよ、わかるだろ

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)254p

ひとりでは殺せないが、集団なら殺せる

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)256p

さまざまな変数を操ることで、現代の軍隊は暴力の流れを管理し、
水道の蛇口でもひねるように殺人のエネルギーを出したり止めたりしている。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)302p
カリー中尉の属する中隊指揮官メディーナ大尉による部下へのブリーフィングにて

「われわれの任務は、急襲してなにもかも破壊することだ。全員を殺せ」
「女子供もですか?」
「全員と言ったんだ」

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)308p
1982年レバノン駐屯イスラエル予備兵ガービィ・ベイシャンの言葉
グウィン・ダイア「戦争」より

いいかい、おれだって人を殺したかないさ。だけどアラブ人なら殺したことがある。

著・デーヴ・グロスマン 訳・安原和見 『戦争における「人殺し」の心理学』(ちくま学芸文庫,2004)320p