対局
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将棋の一手一手に嘘はない。
お互いに勝ちたいとか、いい将棋を指したいとか
そういう真剣な気持ちで選択し、一つ一つ決断している。
自分の力を百パーセント発揮し、本音で語っているのと同じである。
将棋の対局はきわめて厳しい。
(米長邦雄)先生が
「対局が終わると、頭の血管が膨れあがり、頭皮が真っ赤になっていることがある」
といわれたことがある。それほど長く、深く集中するのだ。
若い私ですら一局が終わると疲れ果て、翌日は身動きするのもつらいほどである。
それぐらい消耗するのだ。
勝負の世界では「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。