憂国
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現在、わが国民において、最も憂うべき問題は、人びとの見識が低いということである。
方今わが国民においてもっとも憂うべきはその見識の賤しきことなり。
知識人として国家を憂える人間に、無芸な人物がいるわけはない。
身についた能力で世を渡ることなどわけはない。
すでにみずから学者と唱えて天下の事を患うる者、豈無芸の人物あらんや。芸をもって口を糊するは難きにあらず。