中勘助 5

大正昭和時代の文学者

  • 5件を表示

凡ての主義は醜い。

「沼のほとり」より

宗教家は宗教を、道徳家は道徳を、主義の人は主義を私する。
それでは宗教も道徳も主義も栄えようがない。

「街路樹」より

古えの聖人はあるいは愛をもって、あるいは知恵をもって衆生を救おうとした。現代の聖人は術語で人を救おうとする

「街路樹」より

埃及(エジプト)はラーの恵みによって花のごとくに栄えている。

願くば灰燼のうちより不死鳥のごとく人びとの徳に蘇らんことを

巻末の解説文からの引用。著者の日記(昭和20年9月7日分)にあった一文、と紹介。解説の担当は河盛好蔵。