加藤秀一 3

1963年生まれ。明治学院大学社会学部教授。

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ある人のある特定の属性に、
その人の存在そのものを覆い尽くすような特権的な価値を与えるならば、
それは本質主義なのです。

AERA Mook 78『ジェンダーがわかる。』(朝日新聞社,2002)P12

マイノリティが抵抗のために集団として立ち上がるとき、
個々人の違いを超えた利害や歴史の一体性が強調されることがありますが、
それは本質主義的なナショナリズムなどを招き寄せてしまう。

AERA Mook 78『ジェンダーがわかる。』(朝日新聞社,2002)P13

本質主義を批判せねばならないとすれば、そのときには、
自分がそれなしでは生きていけないような大切な「本質」をこそ
批判的に見直すという態度が必要だ
ある人にとってそれは「男」であるということかもしれないし、
別の人にとっては「日本人」や「正常」であるかもしれない。

AERA Mook 78『ジェンダーがわかる。』(朝日新聞社,2002)P13