フランチェスコ・グイチャルディーニ 名言数 18

1483年3月6日 - 1540年5月22日
フランチェスコ・グイチャルディーニ (Francesco Guicciardini, 1483年3月6日 - 1540年5月22日)はルネサンス時代のイタリアのフィレンツェ共和国の歴史家、政治家。...-ウィキペディア

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神に祈りたまえ、どんな場合でもきみが、敗者の側にいないですむように、と。
なぜなら、きみになんの責任がなくても、
敗北の嫌疑の幾分かにしても、きみは逃れることは不可能になる。
それが反対に、きみが勝者の側にあれば、
きみに功績などなくても、賞讃が与えられるものなのだ。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)139p

世の中のことがらが、絶対的で不変なものだとする考えは、大変にまちがっている。
なぜなら、すべてのことがらは、
簡単に見きわめられることと見きわめられない多くのことの集合体であって、
それらすべてを律しきる法則は存在しないからである。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)139p

国家防衛の大任を負う者は、
長く防衛できることを、第一の目標としなければいけない。なぜなら、
時間を維持することは生命を与えられるに等しい、
ということわざにあるとおり、陥落が先にのびればのびるほど、
はじめの頃では希望も持てなければ思いつきもしなかったような好都合な事態に、
恵まれてくるものだからである。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)139p

いいね - 銘無き石碑

恩恵を受けたという記憶ほど、あてにならないものはない。
だから、恩をほどこしてやった人間よりも、
きみを裏切ることなど考えもできない人物のほうを、きみはあてにすべきである。
人は恩恵を受けた人に対してよりは、
敵にしては損と思う人物のほうに、忠誠を守るものだからだ。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)140p

ある一事を選び、
それが翌年にはどのような結果を生むであろうかということを賢人に判断してもらい、
書きとめておいた人が、後になってからそれを読んでみたとする。
その時その人は、賢人の判断の適中率が、惨めなほど低いことに眼を見張るであろう。
この世のできごとは、あまりにも複雑すぎるのだ。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)140p

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たとえきみが、すべてのことをきみ自身の力量(ヴイルトウ)と慎重さで料理し、
運命(フオルトウーナ)の力に左右される度合いをできるだけ
減らそうと努めたとしても、少なくとも次のことは、認めざるをえないであろう。
すなわち、きみが、きみ自身の力量や素質を必要とし、
ためにそれを充分に発揮もでき、またその成果が人々から政党に認められる時代に、
たまたま生をうけたという事実である。これこそまさしく、幸運と呼ぶにふさわしい。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)141p

人々が過去や遠国の事情に通じていなかったことにしても、
なにも驚くにはあたらない。
なぜなら、人間というものは、
自分が住んでいる街で現在起っていることがらについてさえ、
正確な情報を持っているとはかぎらないし、
それによって的確な判断をくだすとも、かぎらないからである。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)141p

やりくりが上手だということは、出費をどれだけ減らせるかということではない。
出費を減らすことは、思うほどには簡単なことではない。
問題は、出費はしても、その出費が活きたかどうかにかかっているのである。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)142p

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本来は、富よりは栄誉や名声のほうが求められるべきなのだが、
近頃では、金がないことには名声を手に入れることもできなければ、
またそれを保ち続けることもできない有様となっている。
だから、権力を持った人物は、無制限にとはいわないまでも、
名声を手に入れた後も、それを保つに足る富を有することを忘れるわけにはいかない。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)142p

もしきみが、人々から好感を寄せられたいと望むならば、
なにかを依頼された時に、言下に断ってしまうようなことはしてはならない。
なんとか理由をつくって、言いつくろった返事を与えておくようにすべきだ。
なぜなら、きみに依頼した人物も、もしかしたら後になって、
きみの助力を必要としない事態に出会うかもしれないし、
でなければ、後になって状況が変って、
君が堂々と言いのがれをできるような立派な理由が、出てくるかもしれないからだ。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)143p

重大な事業をもくろんでいるとか、
または大きな権力を手中にしようと思うほどの人ならば、
他人に知られては不利と思うことはひたかくしにし、
反対に知られたほうが有利と思ったことは、誇大に宣伝しなければならない。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)144p

なんと人は、自分自身をあざむくものか。
人は、自分は犯さない罪は、それをひどい大罪で許しがたいものに思い、
自分が犯す罪は、とるに足らぬ軽い罪と考えるものだ。

塩野七生『サイレント・マイノリティ』(新潮社,1993)144p

罪深く、開き直った態度を示すならば、当然の報いを受けるでしょう。 - 銘無き石碑
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