0 コメント数 シェア 自由のない社会であれば、人民に気力がないほうが、政府としては便利であろう。 昔鎖国の世に旧幕府のごとき窮屈なる政を行なう時代なれば、人民に気力なきもその政事に差しつかえざるのみならずかえって便利なるゆえ、ことさらにこれを無智に陥れ、無理に柔順ならしむるをもって役人の得意となせしことなれども、今、外国と交わるの日に至りてはこれがため大なる弊害あり。 7 タグ
0 コメント数 シェア 疑いようのないことなら議論は起こらないだろう この諸説はわが独立の保つべきと否とについての疑問なり。事に疑いあらざれば問いのよって起こるべき理なし。今試みに英国に行き、「ブリテンの独立保つべきや否や」と言いてこれを問わば、人みな笑いて答うる者なかるべし。 7 タグ
0 コメント数 シェア わが国の人民は数千年に渡り専制政治に苦しめられてきた。心に思うことを口に出せない、嘘をついてでも身の安全を考えだましてでも罪を逃れ、嘘やごまかしが生活の手段となり不誠実が日常習慣となり、恥じる者、怪しむ者もなく一身のいさぎよさなどすべて消え、まして国を思うことなど、まるでなかった。 わが全国の人民数千百年専制の政治に窘しめられ、人々その心に思うところを発露すること能わず、欺きて安全を偸み、詐りて罪を遁れ、欺詐術策は人生必需の具となり、不誠不実は日常の習慣となり、恥ずる者もなく怪しむ者もなく、一身の廉恥すでに地を払いて尽きたり、豈国を思うに遑あらんや。 9 タグ
0 コメント数 シェア 個人としては智者だが、官吏としては愚者である。一人の時は賢人で、集団では暗愚な民衆となる。 私にありては智なり、官にありては愚なり。これを散ずれば明なり、これを集むれば暗なり。 10 タグ
0 コメント数 シェア 政府は、多くの智者が集まって一つの愚行をするところを言えるだろう。なんということか。 政府は衆智者の集まるところにして一愚人の事を行なうものと言うべし。豈怪しまざるを得んや。 11 タグ
0 コメント数 シェア 政府が威を持って臨めば、民は虚偽で応えるだろう。政府が民をだませば、民は表面を取り繕うだろう。 政府威を用うれば人民は偽をもってこれに応ぜん、政府欺を用うれば人民は容を作りてこれに従わんのみ。これを上策と言うべからず。 7 タグ
0 コメント数 シェア 政府が日本の政府なら、人民も日本の人民だ。それなら政府を恐れず近づくべきだし、親しむべきで、疑う必要などない。 政府も日本の政府なり、人民も日本の人民なり、政府は恐るべからず近づくべし、疑うべからず親しむべし 8 タグ
0 コメント数 シェア 知識人として国家を憂える人間に、無芸な人物がいるわけはない。身についた能力で世を渡ることなどわけはない。 すでにみずから学者と唱えて天下の事を患うる者、豈無芸の人物あらんや。芸をもって口を糊するは難きにあらず。 9 タグ
0 コメント数 シェア 同じ労働で公務のほうが割りがいいというなら、それは不当な国費の乱用である。 もし官の事務易くしてその利益私の営業よりも多きことあらば、すなわちその利益は働きの実に過ぎたるものと言うべし。実に過ぐるの利を貪るは君子のなさざるところなり。 8 タグ
0 コメント数 シェア 相手に劣等感を持ってしまったら、たとえ自分に多少の知識があってもそれを外に向かって広めることができようか。 他に対してすでに恐怖の心をいだくときは、たとい、我にいささか得るところあるもこれを外に施すに由なし。 4 タグ
0 コメント数 シェア 進歩しないものはすたれ、退かず努力するものは必ず前進する おおよそ世間の事物、進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。進まず退かずして潴滞する者はあるべからざるの理なり。 5 タグ
0 コメント数 シェア 昔の民は、政府を鬼のように恐れた。今の民は、政府を神のように拝む。 古の民は政府を視ること鬼のごとくし、今の民はこれを視ること神のごとくす。古の民は政府を恐れ、今の民は政府を拝む。 7 タグ
0 コメント数 シェア 読書は学問の手段である。学問は実践への方法である。実地に臨み経験を積んでこそ、勇気と力が生まれるはずである。 読書は学問の術なり、学問は事をなすの術なり。実地に接して事に慣るるにあらざればけっして勇力を生ずべからず。 9 タグ
0 コメント数 シェア 国民が政府に従うというのは、政府が作った法に従うのではなくて自分たちが作った法に従うということである。 国民の政府に従うは政府の作りし法に従うにあらず、みずから作りし法に従うなり。 6 タグ
0 コメント数 シェア 考えてもみたまえ。古今東西、暗殺で世界情勢がよくなり、世の中が幸福になった事例など、いまだかつて一度もなかったではないか。 試みに見よ、天下古今の実験に、暗殺をもってよく事をなし世間の幸福を増したるものは、いまだかつてこれあらざるなり。 8 タグ
0 コメント数 シェア わが楽しみは、人も楽しむところなのだから、他人の楽しみを横取りすべきではない。 わが楽しむところのものは他人もまたこれを楽しむがゆえに、他人の楽しみを奪いてわが楽しみを増すべからず 6 タグ
0 コメント数 シェア 政府によって決められた法は、たとえそれがバカげており、不便であろうとも、勝手にこれを破る道理はない。 国の政体によりて定まりし法は、たといあるいは愚かなるも、あるいは不便なるも、みだりにこれを破るの理なし。師を起こすも外国と条約を結ぶも政府の権にあることにて、この権はもと約束にて人民より政府へ与えたるものなれば、政府の政に関係なき者はけっしてそのことを評議すべからず。 5 タグ
0 コメント数 シェア 理論を説けば、それは自然に人民の心に沁みとおる。今年だめでも来年は理解されよう。 その正論あるいは用いられざることあるも、理のあるところはこの論によりてすでに明らかなれば、天然の人心これに服せざることなし。ゆえに今年に行なわれざればまた明年を期すべし。 5 タグ
1 コメント数 シェア この世に生をうけたものは、男も女も人間である。世の中は、男と女がいなくてはならず、その役割は同等である。 そもそも世に生まれたる者は、男も人なり女も人なり。この世に欠くべからざる用をなすところをもって言えば、天下一日も男なかるべからず、また女なかるべからず。 5 タグ これを恣意的な引用と言う - 銘無き石碑 2011-05-04 22:07:23 UTC
0 コメント数 シェア 鳥獣魚虫が、自分で食物を得られぬだろうか。蟻などは、食物を得るだけでなく、冬に備えて穴を掘り巣を作り、食糧を蓄えている。ところが世の中には、この蟻と同様の行為をしただけで、すっかり満足している人間がいる。 禽獣魚虫、みずから食を得ざるものなし。ただにこれを得て一時の満足を取るのみならず、蟻のごときははるかに未来を図り、穴を掘りて居処を作り、冬日の用意に食料を貯うるにあらずや。 しかるに世の中にはこの蟻の所業をもってみずから満足する人あり。 5 タグ
0 コメント数 シェア 一身の衣食住が確立すれば、それで満足するというのなら、人の一生はただ生まれて死ぬだけのことになる。 一身の衣食住を得てこれに満足すべきものとせば、人間の渡世はただ生まれて死するのみ、その死するときの有様は生まれしときの有様に異ならず。 9 タグ
0 コメント数 シェア どんな人間でも、多少なりとも身に長所があれば、それを世の中に役立てたいと思うのは、人情であろう。 およそ何人にてもいささか身に所得あればこれによりて世の益をなさんと欲するは人情の常なり。 6 タグ
0 コメント数 シェア 祖先全体を一人の人間とみなせば、文明はその人がわれわれ人間すべてに譲ってくれた遺産なのだ。 世界中の古人を一体にみなし、この一体の古人より今の世界中の人なるわが輩へ譲り渡したる遺物なれば、その洪大なること地面、家財の類にあらず。 5 タグ