無害化
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われわれが「文化を守る」というときに想像するものは、
博物館的な死んだ文化と、天下泰平の死んだ生活との二つである。
そこでは、文化とは何か無害で美しい、人類の共有財産であり、プラザの噴水の如きものである。
フラグメントと化した人間をそのまま表現するあらゆる芸術は、
いかに陰惨な題材を扱おうとも、その断片化自体によって救われて、
プラザの噴水になってしまう。
われわれは単なるフラグメントだと思ってわれわれ自身に安心する。