生物:生き物
- 1
ホモ・サピエンスは、集団をつくることで弱い個体を守ってきたのです。
それが、次世代への貢献だったのです。
長い間かけて進化してきたこのシステムが、
どうして、現代日本では崩壊してしまったのでしょう?
こんな種は、生物として狂っています。
次世代を育む行動が妨害されれば、その集団はいずれ滅びる。
私が書くまでもないことです。
この冷たい狂気の裏側に、
努力へのすがりつくような思い、努力に対する過剰な期待があるのです。
中野信子
2
(1975~) 日本の認知科学者。 東日本国際大学特任教授。