落ちついて死ねそうな草もゆる
抜けたら抜けたままの
歯のない口で
だんだん似てくる癖の
父はもうゐない
ともかく昼寝のまくら一つ持つ
いつか死ねる木の実は播いておく
焼かれる虫の匂ひかんばしく

晩年の著作
種田山頭火


寄せられたコメント(0)

コメントはまだありません...

コメント戴ける場合はこちらから