人間は年を取る。自分自身のうちに、年を取るにつれて現れる、
あの衰弱、無気力、不快などの抜き差しならぬ感じを覚えるようになる。
そして、このように感じて、自分がただ加減が悪いのだと想像し、
この苦しい状態は何か特別な原因によるものだと考えて自らの恐怖を鎮め、
病気か何かのようにその状態から‥
(中略)
‥これは馬鹿げた想像だ! 
この病気は老齢にほかならない。そしてこれは恐ろしい病気なのだ。

ハックスリー『すばらしい新世界』(講談社,1974)P269
ムスタファ・モンド(すばらしい新世界)

ムスタファ・モンド(すばらしい新世界) 27

オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。機械文明の発達による繁栄を享受する人間が、自らの尊厳を見失うその恐るべきディストピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた文明論的SF小説であり、描写の極端さが(多くのSF小説にあるように)きわめて諧謔的であるため、悲観的なトーンにもかかわらず、皮肉めいたおかしみが漂っている...-ウィキペディア


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