島田清次郎 6

1899年2月26日生まれ。日本近代文明史から抹殺された作家。

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くそっ!…偉くなってやる! 偉くなって社会を変えてやる!!

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)118p
金沢商業弁論大会にて

校長! 校内を土足で歩いているのはあなただけだ 靴をぬぎなさい! 靴を!!

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)119p

言いたい事があるのなら 大声で言え 大声で!

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)129p

俺は 貧乏人を救いたくて作家になった!
みんな 俺がいるぞ! 俺がいるぞ! って……
けど 貧乏人どもは字なんか読めやしない!
恐ろしいんだよ! …世の中は恐ろしい!
昨日まで鼻もひっかけなかった連中が 今日は“先生 先生”だ!
いつ また引っくり返ることか…!
金沢の貧民街に 俺は大勢の人間を置き去りにしてきた!!
あの貧民どもは 俺の仲間じゃないのか!
女郎どもを救いたい! あの貧民どもを地獄の生活から解放したい!
“ああ 自分は どうなっても構わない…”
“自分の生は それのみの為めの…”
クク…ハハハ(笑い声)
『あゝ この大いなる願いが、自分の一命を必要とするならば
自分は死ぬべき時に死にもしよう! 「地上」第一部より』

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)159p
第一高等学校で行われた講演「改革と文学」より。

ウ…………ゴホン(咳ばらい)!
わ…私のような者が君たちに…
このような高い所から説教をたれるのは ガラじゃないが…
だが 私は 今 あえて この壇上から君たちに向かって 社会改革の必要を説こう!
君たちには ぜひ
単なる政治家
単なる実業家
単なる官僚などにはなって欲しくない!!
苦しむ民衆をこそまず第一に考えるべきではないのか
自分には万人の涙の顔を歓喜に輝かす事はできないのだろうか!?
『あゝ 自分には 万人の悲しい涙にぬれた顔を
新しい歓喜をもって輝かす事はできないだろうか……
自分の生は それのみの為の生涯であり
自分の使命は それよりほかはない! 「地上」第一部より』

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)153p
新橋で行われた文芸誌「新潮」の集まりにて

“人生の真実”を書くはずの小説は
昨今の社会状況という“真実”には目をつむったままだ!

森田信吾 『栄光なき天才たち 10』(ヤングジャンプ・コミック・スペシャル,1990)169p
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