カール・ヒルティ 35

1833年2月28日 - 1909年10月12日
スイスの哲学者であり、法学者、著名な作家としても知られる。日本では『幸福論』、『眠られぬ夜のために』の著者として有名。敬虔なクリスチャンとして、人生、人間、神、死、愛などの主題について含蓄深い思想書を著した。...-ウィキペディア

争いをしているときは、理のある側が、まず先に若干譲歩すべきである。理のない相手は、全然許すことのできないのが通常である

「眠られぬ夜のために」より

われわれが人生で当面する憎しみの大半は、
単に嫉妬か、あるいは辱められた愛にほかならない

「眠られぬ夜のために」より

人生においては最も耐え難いことは、世の経験をつんだ多くの人々の言によると、
悪天候が続くことではなく、雲ひとつない日が続くことである

「幸福論」より

決心ができていれば、あなたの心にのしかかっている、たいていの問題は、その時、太陽の前の霧のように立ち消えてしまうものです

どんな災難が起ころうとも、それは必ず消えていき、春となるのです

苦しみは人間を強くするか、それとも打ち砕くかである。
その人が自分のうちに持っている素質に応じて、どちらかになる。

苦しみは人を強めるが、喜びは大体において人を弱くするにすぎない。勇敢に堪え忍ぶ苦難と苦難との間の休みの時が、害のない喜びである。

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女は自分を求める人を求めはしない。
むしろ若干冷淡な態度をとる人を求める。

ある全く唯物論的な哲学者が次のような美しい言葉を述べている。われわれの目に入るあらゆる悲惨をわれわれみずからの恥とすべきだ、と。これはまた、損なわれていない心、富や貧乏のために冷酷になっていない心の持ち主がいだく自然の感情でもある。しかし、この不愉快な感情のために、多くの人は悲惨な光景を目撃するのを避けようとする。けれども、その逃避をほとんど不可能にしたのは、現代の社会主義の最も大きな功績の一つである。

『眠られぬ夜のために』(岩波文庫版40頁)

人間はエゴイズムがつねに自分自身に悪い結果をもたらすものだということを、理性をもって十分に納得しないかぎり、たとえ信仰がそれを教えても、多くの場合、それは生活に実際的な影響を大して与えない弱々しいものにとどまる。しかし、その深い理解を得た人は、一大進歩をとげる。

『眠られぬ夜のために』(岩波文庫版40頁)

こころみに、しばらく批判することをすっかりやめてみなさい。そして、いたるところで、力の限り、すべて善きものをはげまし、かつ支持するようにし、卑俗なものや悪いものを下らぬものかつほろび去るものとして無視しなさい。そうすれば、前よりも満足な生活に入ることができよう。実にしばしば、まさにこの点に一切がかかっているのである。

『眠られぬ夜のために』(岩波文庫版67頁)