ある全く唯物論的な哲学者が次のような美しい言葉を述べている。われわれの目に入るあらゆる悲惨をわれわれみずからの恥とすべきだ、と。これはまた、損なわれていない心、富や貧乏のために冷酷になっていない心の持ち主がいだく自然の感情でもある。しかし、この不愉快な感情のために、多くの人は悲惨な光景を目撃するのを避けようとする。けれども、その逃避をほとんど不可能にしたのは、現代の社会主義の最も大きな功績の一つである。

『眠られぬ夜のために』(岩波文庫版40頁)
カール・ヒルティ

カール・ヒルティ 35

1833年2月28日 - 1909年10月12日
スイスの哲学者であり、法学者、著名な作家としても知られる。日本では『幸福論』、『眠られぬ夜のために』の著者として有名。敬虔なクリスチャンとして、人生、人間、神、死、愛などの主題について含蓄深い思想書を著した。...-ウィキペディア


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