ベルセルク (漫画) 199

三浦建太郎による日本の漫画作品。白泉社発行の漫画誌『ヤングアニマル』にて月イチ連載(第4金曜日)されている。単行本は白泉社からヤングアニマルコミックスのレーベルで刊行されている。...-ウィキペディア

背中越しのこの娘(こ)の温もりが 私に、そうさせてくれない。何もできない私に初めて託された、私よりも弱い存在。何も知らない、何もわからない瞳が、私が無力であることを許してくれない。これは報い。それとも…

世界は変貌(かわ)ってしまう。…いいえ、恐らくそれはすでに始まっています。ある者の出現と共に。

夢とはおかしなもんだ。勇ましい挑戦の様にも思えるが、甘えた逃避の様にも思える。

でも、もうそれも終わりのようですね。風は吹いたのですから。あなたが焦がれたすべてを薙ぎ払う強い風が。ならばせめて私は、嵐の中半身がバラバラに引き裂かれてしまわぬように。

どれだけ言い表す言葉を違えても、太陽は太陽、光は光です。唱える経文が異なろうと救いを求める心は同じでしょう?その違いを理由に人を分け虐げるなど愚かなことです。神の御名は神のもの、人が統べるものではありません。

風の精霊… 何ものにも縛られず、どこへでも吹いてゆく。…皮肉なものです。私には一番縁遠いものですね。

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人々は神の名を唱え争い、神の名を唱え救いを求めます。繰り返し飽きることなく。自分達が忘却しようとしているもの達にこそ、自分達を救う鍵が隠されているかも知れないのに。

一回こっきりのママゴトみてーな夢を後生大事に、こんなひなびた村で老いさらばえたあんたと!野望実行中のオレを一緒にすんじゃねェ!

神は運命を与えたもう。けれどもそれを選択するのは人の子よ。私はそう信じています。その目でしっかり見極めて来なさい。この出会いがあなたにとってどんな意味を生(な)すのか。

奇蹟善とした奇蹟のみに心を奪われるのではなく、目の前にある事実にも目を凝らしてごらんなさい。彼はまだ生きているのですよ。


    「奇蹟善」ではなく「奇蹟然」です - 銘無き石碑

あれは人の姿はしていても霊的にそう呼べる者ではありません。現世(うつよ)において一人として並びえる者の無い存在。まさしく絶対者です。

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世界は縦や横に拡がるだけではない。その内に大いなる深みを孕んでいる。決して唯物論や一つの教義でこの世界を断ずることはできない。大いなる謎を受け入れ、世界の内より万象を探究する。それが魔道です。

およそファルネーゼ様らしくない… 私はあんな無防備な彼女を知りません。あなたが変えてしまった。

今やんねェやつは!一生やりゃしねェんだ!

オレは直感していた。これからオレが目の当たりにするのは、ただ歴史に記される戦などではない。それは恐らく、神話と呼ばれる領域なのだと。

…正直、今度ばかりはまいったぜ。このオレが、初めて赤の他人に期待している。自分の禍々しさに。己の無力に打ちのめされる。最後に、あいつが笑ったのはいつだった?…また、夜の帳が下りる。

この女はグリフィスを渇望(こがれ)続けるための生贄さ。生贄ならもっといい使い道がある。ほら、こうしてしまえば。もっと深く深くグリフィスと繋がる。お前は望んでいる。

私達は何を埋め隠し、何を焼き払い、何から解き放たれ、何に縛られたのだろう。

お前なら、私にあわせて歪んでいるから…

噎せ返る様な臭い。立ち込める血の臭いで頭の奧が痺れている。赤く染まっている。夕日が血を照らしてすべてが赤く赤く… ただ凄惨なはずのこの風景。けれど… けれどそれは 喩え様もない、一枚の絵の様でした。
私達は今、確かに何か途方も無い物語の中にいました。

オレは、オレの国を手に入れる。何も変わりはしない。何も終わってなどいない。真実を知って、オレを憎むならそれでいい。だが、もしそれでも夢の続きを追えると言うのなら拒む理由は無い。

言葉は無粋!押し通れ!

変わらないな。口より先に剣を振る。初めて出会った頃のお前の様だ。

だが今、あいつはオレと同じ世界にいる!オレが踏み締める同じ大地に!オレの剣の届く先に!

…私、同じ弱さと同じ罪を背負ったこの人と 一緒に行こうと思うの。この人とならお互いにほんの少し強く、優しくなれそうな気がするから。縋る誰かより、誰かを赦せる自分が欲しい。