憎み

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「第38章 軽蔑」

誰でも愛されたいと願う。
だが、めざましい成果をあげた場合、愛されるよりも憎まれるほうが多くなる。
なぜなら、人間は嫉妬するのが普通だからで、
憎まれることは能力を認められたことの証明でもあるのだ。
しかし、軽蔑は同列にはあつかえない。軽蔑は、能力を認めたうえでの評価ではない。
能力を認めないことによって生まれる評価である。
それゆえに、
憎まれることはあっても軽蔑されることだけは絶対に避けなけねばならない。
必ずや実害につながる。

塩野七生 『再び男たちへ』(文春文庫,1994)168p
塩野七生 701

日本の歴史作家(プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7...-ウィキペディア