国民の遺書
靖国で待っています。
きつと来てくださるでしょうね。
本日恩賜のお酒を戴き感激の極みです。
敵がすぐ前に来ました。
わたしがやらなければ父様母様が死んでしまう。
否日本国が大変な事になる。
幸光は誰にも負けずきっとやります。
靖国で待つてゐます。
きつと来てくださるでせうね。
本日恩賜のお酒を戴き感激の極みです。
敵がすぐ前に来ました。
わたしがやらなければ父様母様が死んでしまふ。
否日本国が大変な事になる。
幸光は誰にも負けずきつとやります。
海軍少佐。二十三歳。
隣の室では酒を飲んで騒いでいるが、それもまたよし。
俺は死するまで静かな気持でいたい。
人間は死するまで精進しつづけるべきだ。
まして大和魂を代表するわれわれ特攻隊員である。
その名に恥じない行動を最後まで堅持したい。
隣の室では酒を飲んで騒いでゐるが、それもまたよし。
俺は死するまで静かな気持でゐたい。
人間は死するまで精進しつゞけるべきだ。
まして大和魂を代表するわれわれ特攻隊員である。
その名に恥ぢない行動を最後まで堅持したい。
海軍大尉。二十三歳。
長い間御世話になり何一つ喜んで頂く様なことも致しませず相済まぬと思って居ります。
私の死はせめてもの恩返しと思って下さい。
長い間御世話になり何一つ喜んで頂く様なことも致しませず相済まぬと思つて居ります。
私の死はせめてもの恩返しと思つて下さい。
海軍大尉。二十二歳。
語れば万言を費しても
また語らざれば
一言の要もなし
俺はその後者を選んだ
南の風が
誘うように吹いてくる
語れば万言を費しても
また語らざれば
一言の要もなし
俺はその後者を選んだ
南の風が
誘うやうに吹いてくる
海軍中尉。二十五歳。
私もいよいよ国家のため お役に立つ時が参りました
私は赤紙を受けし日より すでに吾が身は大君に捧げて仙台部隊に入隊した私で
す
男と生れこんなうれしい日はありません
一旦召されたからには生きて帰る事なく第一線に出陣し死を覚悟して行きます
陸軍伍長。二十六歳。
私の突込む時は必ずお父さんお母さんとさけんで突込みます。
海軍一等飛行兵曹 二十歳
私に逢い度くば空を見よ、飛行機を見よ、軍艦旗を見よ。私は其処に生きている。
私に逢ひ度くば空を見よ、飛行機を見よ、軍艦旗を見よ。私は其処に生きてゐる。
海軍少佐。二十四歳。
現代において、ネットのコメント、ブログ、ツイッター等々に氾濫する言葉のほとんどは、
何の思慮も覚悟もなく
「私心」をだらしなく垂れ流しているだけの子供の落書きのようなものである。
小林よしのり 漫画家
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父母 兄弟に告ぐ 白木の箱が届いたら泣かずにほめて下さい。
陸軍伍長。二十六歳。
父上、母上、兄上
こゝまで書くと涙が出る。
姉上、妹、弟
皆元気でやれ。
後でトランク、荷物が届くと思う。
今、それを作っている。
父上、母上、兄上
こゝまで書くと涙が出る。
姉上、妹、弟
皆元気でやれ。
後でトランク、荷物が届くと思ふ。
今、それを作つてゐる。
海軍中尉。二十二歳。
清子は山野の家を代表した女の勇士です。
陸軍看護師。十九歳。
母:今日はなぜ少ししか食べないの?
仁科:おかずが沢山あるのでね、それにぼくも大分大きくなったんだから、
そう何時までも大食いぢゃないんだよ
昭和二十年四月五日
御両親様
只今より必死必殺の攻撃に征く 心の平静たる
本日の空の如し 白木の箱の整備なる いざ 征かん南の空へ
吾が予定突入時刻
昭和二十四年四月六日 一七・〇〇
潔く散れや 筑波の若櫻
以上
海軍少佐。二十五歳。
散るべきときに散ってこそ 男と生まれし甲斐はありけり
散るべきときに散つてこそ 男と生まれし甲斐はありけり
陸軍上等兵。十五歳。
敏子にお逢いになった由、皆何を感じられたか知りませんが、
心から私が愛した、たった一人の可愛い女性です。純な人です。
私の一部と思って何時までも交際して下さい。葬儀には是非呼んで下さい。
敏子にお逢ひになった由、皆何を感じられたか知りませんが、
心から私が愛した、たつた一人の可愛い女性です。純な人です。
私の一部と思つて何時までも交際して下さい。葬儀には是非呼んで下さい。
海軍大尉。二十二歳。
悲壮なる祖国の姿を眺めつつ余は行く。全青春を三十日間にこめて、人生駆け足に入る。
悲壮なる祖国の姿を眺めつゝ余は行く。全青春を三十日間にこめて、人生駆け足に入る。
旧海軍少尉 神風特攻隊第二七生隊 昭和20年4月1日沖縄にて特攻戦死。享年23歳...
御両親様より一足先に極楽に部屋を借りてお待ちして居ます。
陸軍大尉。二十二歳。
幸光は靖国で二十四歳を迎える事にしました。
幸光は靖国で二十四歳を迎へる事にしました。
海軍少佐。二十三歳。
実戦は素晴らしいよ。
映画では見られない敵機が三十機位来る。
ばらばらと爆弾を落とし、あつと思つたがあたらなかつた。
帰つてからの土産話にするから余り書くまい。
実践は素晴らしいよ。
映画では見られない敵機が三十機位来る。
ばらばらと爆弾を落とし、あつと思ったがあたらなかった。
帰ってからの土産話にするから余り書くまい。
海軍少尉。三十六歳。
出撃の朝
散歩に行くような、小学校の頃遠足に行くような気持なり。
〇三〇〇朝めし。すしを食った。
あと三時間か四時間で死ぬとは思えない。皆元気なり。
出撃の朝
散歩に行くやうな、小学校の頃遠足に行くやうな気持なり。
〇三〇〇朝めし。すしを食つた。
あと三時間か四時間で死ぬとは思へぬ。皆元気なり。
海軍大尉。二十三歳。
兄は常に九段の社の櫻の木の枝に咲いて居る。
裏の元屋敷の櫻の木にも咲きますよ。
差からが咲いたら兄だと思って見て下さい。
兄は常に九段の社の櫻の木の枝に咲いて居る。
裏の元屋敷の櫻の木にも咲きますよ。
差からが咲いたら兄だと思つて見て下さい。
海軍少尉。十九歳。
僕はもう、お母さんの顔を見られなくなるかも知れない。
お母さん、良く顔を見せて下さい。
しかし、僕は何んにもカタミを残したくないんです。
十年も二十年も過ぎてからカタミを見てお母さんを泣かせるからです。
お母さん、僕が郡山を去る日、自分の家の上空を飛びます。
それが僕の別れのあいさつです。
海軍少尉。十九歳。
俺は、俺の人生は、人間が歩み得る最も美しい道の一つを歩んできたと信じてゐる。
俺は、俺の人生は、人間が歩み得る最も美しい道の一つを歩んできたと信じている。
海軍大尉。二十三歳。
今かぎりなく美しい祖国に、わが清き生命を捧げ得ることに大きな誇りと喜びを感ずる。
海軍大尉。二十三歳。
人生わずか五十年とは昔の人の言う言葉、
今の世の我等二十年にしてすでに一生と言い、
それ以上をオツリと言う。
まして有三年も永生きすればゼイタクの限りなり。
いささか惜しまず、笑って南溟の果てに散る。
人生わづか五十年とは昔の人の言ふ言葉、
今の世の我等二十年にしてすでに一生と言ひ、
それ以上をオツリと言ふ。
まして有三年も永生きせしはゼイタクの限りなり。
いささか惜しまず、笑つて南溟の果てに散る。
海軍大尉。二十三歳。